意外と気づかない「上から目線」!志望理由書のNG表現まとめ
推薦入試やAO入試で提出することが多い「志望理由書」。しっかり自分を見つめ直し、自分がなぜその学校で学びたいか、またどう学びたいかという、熱い思いを書くことが必要になる。
一方で、気をつけなくてはならないのがNG表現。せっかくよい内容を書いても、書き方ひとつで読む人を不快な気持ちにさせることがある。
ここでは具体的に、志望理由書ではどんな表現がNGなのか、3つに分けて紹介したい。
知らないうちに書いている“上から目線”な表現
学校のよいところを書くのはいいけれど、自分が学校を「評価」するような書き方になっていないか気をつけよう。例えば、
×「○○学部は学ぶのに非常に望ましい環境だ」
×「緑豊かなキャンパスは、私にとって魅力的だ」
×「留学制度もあり、ここならきっと充実した学生生活を送れると確信している」
×「○○大学は私にぴったりだ」
×「私はここでしか学べないと思った」
×「私は○○になりたいと思っているため、○○学部は一番私に合っていると感じる」
これらが、微妙に上から目線になっていることに気づくだろうか?
なぜ、こんな表現になってしまうかというと、「自分が学校を選ぶ」という立場で書いているから。これまで何校も検討したすえに選んだ学校かもしれないけれど、志望理由書を書くときはあくまでも「学校に自分を選んでもらう」立場ということを忘れないようにしよう。
そして、志望理由書は学校に宛てたラブレターのようなもの。「○○大学に憧れています」「入学できたら一生懸命に学ぶ意欲があります」ということが伝わる熱いまっすぐ気持ちを書くように心がけよう。
「乱雑な字」や「幼稚な表現」はNG
読みにくい文章の筆頭にくるのは「雑な字」や「汚い字」。書きなぐったような「乱雑な字」にならないために、しっかりと机に向かって、丁寧に書くように心がけよう。そもそもの「文字が汚い」のは、とにかくこれは直すしかない! 本屋さんに行けば練習用のテキストがいろいろと売られているので、すぐ買ってきて練習しよう。「美しく見える字」を書くには、字の角度やサイズなどちょっとしたコツがあり、今からでも間に合うので大丈夫!
また、志望理由書は横書きの場合が多いが、段落を設けないのはNG。横書きでも縦書き同様段落を作り、改行したら左端を1マスあけること。
そして、幼稚な表現はさけ、18歳らしい言葉づかいを心がけよう。
×「私は○○大学に行きたい」
↓
○ 「私は○○大学を志望している」
×「私が○○大学に行く理由は」
↓
○「私が○○大学を目指す理由は」
単純なイメージだけで職業観を語るのは ×!
なりたい職業があってそれを志望動機にしている場合、その職業について詳しく調べずに書くのはNG。
「看護師=白衣の天使」
「保育士=子どもが好き」
などのありきたりな職業観だけで書くのではなく、その職業の厳しい側面や社会的な問題点にも目を向けること。
まず、仕事の内容をよく調べ、「どうしてその職業に就きたいと思ったのか」「どのように活躍したいか」など、しっかりと書こう。
書き方1つで、読む人の印象はだいぶ変わる。上のポイントを意識して、志望理由書を書いてみよう。
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アドバイス:私立・共立女子第二中学校高校・伊藤久仁子先生。『朝日中高生新聞』でも作文指導をしている、国語のベテラン先生。