心理学博士が伝授!「ついダラダラ症候群」から脱出する方法

勉強をしなければいけないのに、つい部屋でダラダラ、ゴロゴロ…。なかなか机に向かうことができない人って多いのでは?

 

「このままじゃダメだ!」と思っているのに、重い腰が上がらない…。こういう状態を打破するにはどうすればいいのか、心理学博士の伊東明さんに聞いてみた。

 

■実は「完璧主義者」が陥りがち!

そもそも、こういう状態に陥ってしまう人は、完璧主義者であるケースが多いですね。「いったん手を付けるからには、納得のいくまでやらなければ」と思うからこそ、「はじめの一歩」を踏み出すハードルが高くなってしまい、重い腰が上がらなくなるのです。

 

また、普段からいいわけ癖がある人も、ダラダラ症候群に陥りがち。例えば「忙しいからできない」「雨が降っているから、やる気が出ない」など、普段から何かにつけて言い訳し、やらなければならないことを回避している人は、「気分が乗ったら勉強しよう=気分が乗らないからまだやらないでいいや」と、無意識のうちに自分の中で折り合いをつけてしまっている可能性があります。

 

■「15分だけ勉強する」など、簡単な目標を設定すると行動しやすくなる

そんな状況から抜け出すためにおすすめしたいのが、「15分だけ勉強をしよう。それ以上は今日はやらない!」と決めてしまうことです。

 

心理学において、「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」という、「小さな要求を受け入れたら、その後、関連する大きな要求を受け入れやすくなる」という心理戦略があります。これを応用し、「15分だけ勉強する」という低めのハードルを設定すると、行動に移しやすくなります。15分勉強ができたら、あとは15分から30分、1時間へと、時間を少しずつ延ばしていくといいでしょう。

 

もちろん、「参考書10ページ分だけ」「今日戻ってきた英語のテストの復習だけ」などの設定でもOKですよ。

 

お徳用の大袋に入っているお菓子を想像してください。一人で全部食べきれるイメージが沸かず、なかなか封を切れないと思いますが、その中身が小分けになっていたら「開封しようかな」と思えますよね?それと同じです。

 

(1)容易にクリアできる量を、(2)明確かつ具体的に設定する。これで勉強を始めることが心理的にグンと楽になりますよ。

 


 

伊東 明さん
心理学博士。ビジネス心理学および男性・女性心理学を専門とし、企業研修やコンサルティング、メディア出演や雑誌連載などで幅広く活躍中。『なぜか人気者になっちゃう!心理術』(PHP研究所)、『「悩むこと」が「楽しいこと」になる本』(講談社)など、70冊以上の著作がある。