使える“勉強の噂“25を大発表!〜勉強アイテム&勉強方法編〜

よく見聞きする勉強方法の噂、ウソ?ホント?

高校生エディターやスタサプ編集部が検証・取材した結果を大発表!

気になる噂はうまく取り入れて、受験勉強をスタートしよう!

高3直前、勉強の噂にすがりたくなる人急増中

やりたくないけど、そろそろ始めなきゃ…という受験勉強。

アイテムや方法、場所・環境や勉強相手などさまざまなテーマに関して、はたしてどの噂がホントなのか噂が気になっている人は多い様子。

高校生エディター188人に、「気になる勉強の噂があるかどうか」尋ねたところ、63%が「ある」と回答!



勉強について、実際にこんな声があがっていたよ。
「成績が伸び悩んでいるので、ウワサでもいいから上がるならやりたい」(高2・もかもか・神奈川県)

「集中できる時間が短すぎて何とかしたい」(高2・イワシ・愛知県)

「学校や塾の自習室は遠いので自宅で集中できる環境を作りたい!」(高2・ぱんだ・三重県)
そこで、みんなが気になる噂を集めて検証してみた!

使える噂は1つでもTRYしてみよう!

協力してくれた高校生エディターはこちらの4人。



今回は勉強アイテム、勉強方法の噂を紹介するよ。

勉強場所・環境と、友情・恋愛の噂については後編の記事を参考にしてね。
 

勉強アイテムの噂、大発表!

勉強に取り掛かるときが一番大変っていう人も多いのでは?

そんな気持ちのハードルを下げてくれるアイテム周りの噂の真偽をCheck。

 

01.青ペンを使うと暗記しやすくなる!?

噂が気になっている人:107人/188人中
「デキる友達がやってて気になる」(高2・non.・愛知県)
→結果は、ホント!

教えてくれたのは、「本当に頭がよくなる青ペン学習法」著者・石井貴士さん。
青色が、集中と記憶への定着をうながしてくれる!

青色には、副交感神経に作用して集中力を高める効果と、セロトニンの分泌をうながして記憶を定着させる効果がある。

またノートに書く際、覚えたい部分を2行分使って大きな文字で書くと見た瞬間に脳に入りやすくなる。
●Editor’s Try
「どうしても覚えたいところを青ペンにしたら自然に頭に入った」(レイラ)



「大きな文字のほうが落ち着いて暗記ができ自然と頭に入ってきた」(すみれ)

 

02.香水やアロマで集中力が上がる!?

噂が気になっている人:56人/188人中
「部屋がいいにおいで集中力も上がるなら一石二鳥!」(高2・みずな・北海道)
→結果は、香り次第でホント!

教えてくれたのは、東京大学で嗅覚について研究する東原和成教授。
森林の香りには集中力や作業効率を上げる効果あり

ピネンという森林の香りが有効。

ただし、心地よいと感じなければ効果はなく、香りを感じるか感じないかくらいの量が適量。

鉛筆の木の香りでもOK。
●Editor’s Choice
「勉強中はラベンダーのアロマが落ち着く」(高2・めんだこ・兵庫県)

「SHIROのサボンをつけると勉強モードに」(高2・ぱんだ・三重県)

「Francfrancのルームフレグランスは落ち着く香りで、追い込まれてるときも冷静に勉強できる」(高2・すずか・埼玉県)

 

03.勉強に最適な飲み物は「お茶」や「コーヒー」!?

噂が気になっている人:63人/188人中
「勉強にベストな飲み物が気になる」(高2・たなさき・埼玉県)
→結果は、ウソ!

教えてくれたのは、栄養指導に取り組む医学博士、管理栄養士の井上正子博士。
カフェインはとりすぎると脳にとって必要な水分まで排出。水がベスト

脳には大量の水が必要で頭を使う作業前に水を飲むと作業効率が上がるという研究も。

基本としてまず水を飲み、気分転換に他の飲料を飲むのはOK。
●Editor’s Try
<物足りないときはハーブティーでモチベUP>
合間に違う飲み物にすると気分転換に(すずか)



<2Lペットボトルに入れておくと便利>
水を汲みに行く手間がなく集中力が切れにくかった(すみれ)

 

04.ガムを食べながら勉強すると集中できる!?

噂が気になっている人:640人/188人中
「ガムで目が覚めそう」(高2・ふらみんご・千葉県)
→結果は、勉強内容によってはウソ!

「ガム咀嚼が作業効率などに与える影響」の研究(※)で判明!
計算などの短時間の集中が求められる勉強では逆効果

1ケタの足し算を15分間行う実験で、ガム有りよりもガムなしの人の方が、計算量が多かったという結果が。

「噛むことに気を取られた」という声も。

※東京医科歯科大学(当時)・佐々木晶世氏ほか「ガム咀嚼が作業効率と疲労に与える影響に関する研究」(2009年)より

 

05.ラムネを食べると記憶力が上がる!?

「ラムネを食べると頭がよくなるらしい」(高2・ウッシー・愛知県)
→結果は、ホント!

「ラムネ摂取と作業記憶」に関する研究(※2)で判明した!
ラムネに含まれるぶどう糖が記憶に関する脳の働きをサポート

作業記憶(※1)を測るテストで、開始30分前に「森永ラムネ」1本(29g)を食べた人の方が、ぶどう糖を含まないタブレット菓子を同量食べた人よりも良スコアだった。

ラムネのほうがプラセボより作業記憶が改善!



※1問題や課題を解く際に必要な情報を一時的に記憶する脳の働き。ワーキングメモリー。
※2森永製菓(株)・稲垣宏之氏ほか「健康な成人におけるぶどう糖ラムネ菓子摂取によるワーキングメモリーと注意力の改善」(2020年)
※3ぶどう糖を糖アルコール(エリスリトール)に置き換え風味を近づけた錠菓

勉強方法の噂、大発表!

目標に向かってこつこつ頑張ることが必要な時期には、思わず続けたくなるちょっとしたコツが超重要。

そんなエディタ―の希望を叶えるのはどの噂?

 

06.寝る直前に暗記すると定着がいい!?

噂が気になっている人:44人/188人中
「定着してる気がするけど、どうなの?」(高2・ゆゆゆ・兵庫県)


→結果は、ホント!

「睡眠の記憶機能」に関する研究で判明した!(※)
睡眠後すぐに、脳で記憶の長期保管が始まる

記憶テストで、記憶後40分間の睡眠をとった人たちは、睡眠をとらなかった人たちに比べて正答率が高い結果に。

脳の画像から睡眠後数分で記憶の長期保管が始まっていることも判明。

※ドイツ・リューベック大学・SusanneDiekelmann氏ほか「The memory function of sleep」(2010年)
●Editor’s Try
<布団の中で「速読英単語」>
"寝るまで“という制限があることで他の時間帯より集中力が高まった!(すずか)



<枕元に単語帳を準備>
翌朝確認したら忘れてなかった!寝る直前まで頑張ってる感があるのもいい(Chiune)

 

07.勉強するときはちゃんと椅子に座らないとダメ!?

噂が気になっている人:28人/188人中
「眠い時に立って勉強するのはアリ?」(高2・とき・青森県)
→結果は、ウソ!

「姿勢による学習効果の違い」の研究で判明した!(※)
「座る」「立つ」を切り替えながら勉強する方が学習効果大!

「座る」「立つ」を自分のペースで繰り返したときの方が、座ったままよりも覚えられる漢字の数が多く、眠気も抑えられ、集中できたという実験結果がある。

※玉川大学・阿久津正大氏ほか「教育の場における座位と立位を変えられる姿勢の有効性の検討(2)」(2018年)
●スタサプ編集部’s Try
「姿勢を変えることで気持ちが切り替わり後半も集中力を保てた!」(編集・ナカオネ)

 

08.笑顔でやると勉強が楽しくなる!?

噂が気になっている人:21人/188人中
「簡単そうだしやってみたい」(高2・ゆ・愛知県)
→結果は、ホント!

教えてくれたのは、集中力プロデューサー®︎として活躍する森健次朗さん。
笑顔になると脳からドーパミンが放出されて意欲が高まる

口角を上げると、表情筋と脳を結ぶ神経が働き、幸福感や意欲を高める神経物質ドーパミンが脳から放出される。

勉強も笑顔でやるとモチベーション高く取り組める。

 

09.勉強には何をやっても成績が上がらない停滞期がある!?

噂が気になっている人:24人/188人中
「成績が伸び悩んでるから知りたい」(高2・みずな・北海道)
→結果は、ホント!

教えてくれたのは、2013年「世界記憶力グランドマスター」を獲得した池田義博さん。
誰にでも「プラトー」とよばれる一時的な停滞期がある

誰にでも、勉強しても成果に表れない、心理学で「プラトー」とよばれる時期がある。

でも、脳はその間も知識を整理して使える形に作り変えているので、あきらめずに勉強を続けよう。

プラトー期は学習記録をつけてモチベ維持を!


 

 

10.運動すると頭がよくなる!?

噂が気になっている人:28人/188人中
「運動部だからホントなら一石二鳥!!」(高2・らんど・宮城県)
→結果は、ホント!

「運動が脳に与える影響」に関する各種研究で判明した!(※)
最低4分間の運動で学力UPが期待できる

運動は記憶をつかさどる海馬を成長させることや、有酸素運動が効果的なことがわかっている。

4分の運動で集中力が改善、12分のジョギングで読解力が向上という実験結果も。

※アンダース・ハンセン『一流の頭脳』
●Editor’s Try
<素振りで気分転換>
ダラダラ机にむかうより、素振りで体を動かすと気分が変わって集中できる気がした(すみれ)



<休憩中にストレッチを5分>
筋膜ローラーを使ってほぐすと疲れが和らいでやる気復活。勉強に戻れた!(すずか)

 

11.目標を宣言するとテストの点が上がる!?

噂が気になっている人:56人/188人中
「宣言するだけで上がるなんて興味津々」(高2・みずな・北海道)
→結果は、やり方次第でホント!

「目標を伝える相手」の研究で判明した!(※)
宣言するだけでは不十分。「誰に」宣言するかが重要!

研究結果ではただ宣言するだけではなく、自分よりも高い立場にある人に宣言することでさらに達成率が上がるとのこと。

先輩や先生など尊敬できる人に伝えるとやる気が高まり成績UPにつながる可能性大。

※アメリカ・オハイオ州立大学・HowardJ.Klein氏ほか
「When goals are known:The effects of audience relative status on goal commitment and performance」(2020年)
●Editor’s Try
<オンライン予備校コーチに日誌で宣言>
コーチに勉強予定を送る際に英検の目標「過去問の正解率を70%にする」と書いたら、やらなきゃという気持ちになった(Chiune)

 

12.睡眠学習をすると翌朝には頭に入ってる!?

噂が気になっている人: 22人/188人中
「ホントなら英単語を覚えたい」(高2・choco・三重県)
→結果は、外国語学習ではホント!

「睡眠中の語彙学習」についての研究で判明した!(※)
寝る前に覚えた単語を睡眠中に流すと意味を覚えられる

外国語学習において、暗記した単語を仮眠中に流した人たちが、他の条件の人たちに比べて訳の確認テストの成績が良かったという実験結果あり。

※スイス・チューリッヒ大学・ThomasSchreiner氏ほか
「Boosting Vocabulary Learning by Verbal Cueing During Sleep」(2014年)

睡眠学習に向いているテーマ

・英単語などの暗記
・リスニング学習

 

13.絶対成功する一夜漬けがある!?

噂が気になっている人: 52人/188人中
「あるならぜひ知りたい」(高2・みい・愛知県)


→結果は、やり方次第でホント!

教えてくれたのは、睡眠の質向上の指導に尽力する医師 坪田聡医師
眠気の2大ピークに仮眠を取れば朝までエネルギーを維持できる

できるだけ寝ずに頑張る場合、まずは眠気の2番めのピーク・14〜16時に80〜100分仮眠すると、徹夜に向けたエネルギーを蓄えられる。

そして、最大のピーク・2〜4時の間に15分の短い仮眠をとれば、眠気が減って集中力が回復する。

14.勉強するときの服装は何でもOK!?

噂が気になっている人: 49人/188人中
「土日はパジャマで勉強してるから気になる」(高2・イワシ・愛知県)
→結果は、ウソ!

「衣服が着た人に与える影響」の研究で判明した!(※)
着る服に持っているイメージが勉強姿勢に影響する可能性あり

白衣を着て注意力を測るテストで、「画家」の白衣と言われた人よりも、「医者」の白衣と言われた人の方が、間違いを犯してはいけないという意識が働き良い結果に。

※アメリカ・ノースウエスタン大学・Adam D.Galinsky氏ほか「Enclothed cognition」(2012年)
●Editor’s Fashion
「制服で勉強するようにしてる。気合が入るから」(高2・カイピ・奈良県)

「だらけないようにおしゃれめな私服を着る」(高2・なる・石川県)

 

15.スキマ時間の勉強は意味がない!?

噂が気になっている人: 24人/188人中
「休み時間に暗記するのは如何なの?」(高2・だんご・神奈川県)
→結果は、ウソ!

「勉強時間と学習の定着・集中力」の実験で判明した!(※)
15分の勉強でも積み上げれば学習内容が定着する

英単語の勉強で「休憩を挟んで15分×3回」の方が「60分間続けて」よりも点数の伸びが良く、集中力も維持されたという実験結果あり。

※東京大学・池谷裕二氏ほか「Effect of intermittent learning on task performance: a pilot study」(2017年)

 

16.自分をホメると成績UP!?

噂が気になっている人: 14人/188人中
「ほめるだけでいいなら毎日でもほめたい」(高2・おと・愛知県)
→結果は、やり方次第でホント!

「ほめ方の違いが学習に与える影響」の研究で判明した!(※)
「努力」をほめることが学力UPにつながる

自分の能力ではなく努力を人からほめられると「やればできる」という思考になり、知能検査の結果も上がったという研究報告あり。

自分で自分の努力をほめれば効果が期待できそう。

※アメリカ・スタンフォード大学・Carol S.Dweck氏『Mindset:The New Psychology of Success』
●Editor’s Try
<英検対策を続けてる自分をホメ!>
過去問は長くてマジ疲れるのに毎日2~3個ずつやってて偉すぎる(Chiune)

→フツーに明日も頑張ろう!やるぞって思えて効果を感じた

<漢検の勉強を頑張る自分をホメ!>
夕飯前にお腹がすいてても眠くてもやって私すごくない!?(レイラ)

→自分に自信がもてて勉強がめんどくさいって思わなくなってきた

思い立ったらTRY!TRY!TRY!

トライすれば少しずつ受験勉強に慣れていける。

3つのコツを押さえてやりやすいものから始めてみよう!
<3つのコツ>
・自分に合いそうか試すつもりでOK
とりあえず一度試して、自分に合う方法か確認しよう!合わなければ止めてOK。

・ピンときたら3回続けてみる
3回やると、本当に続けられそうかや、自分に効果があるかが見えてくる。

・他にも気になるモノを試してみる!
合わなければ別な噂に挑戦。
余裕があれば複数トライして勉強する時間を増やしていこう。
===
※記事内のデータとコメントは2021年11月に実施した高校2年生188名が回答したアンケート調査によるものです。

Text/YukaAsada
Edit/MiyukiNakao
Illustration/YumikoKomukai
Design/YujirouSuga(ma-hgra)
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受験勉強したくなーい!っていう気持ちは、実はちょこっとした行動で吹き飛ばせるのかも。

だからこそ勉強のきっかけは興味本位で全然OK!

みんなが一歩踏み出すための噂が1つでもみつかりますように。

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