「失敗にひるまないで、どう動くかが重要」板垣李光人さんSpecial応援メッセージ

今回のスタサプSPECIALインタビューは、板垣李光人さんが登場!
 
幼いころから大人に囲まれて芸能活動を続けてきた板垣さん。
 
俳優の仕事を続けるなかでさまざまな人と出会い、俳優の仕事の深さを知り、自分の進むべき道を自覚していったのだそう。
 
10月6日から放送スタートした新ドラマ「silent」では、主人公の弟役として登場!
 
これまで板垣さんが俳優として歩んできた道を紹介しつつ、自分が信じた道や夢に一直線に向かうみんなに、板垣さんからエールを届けます!

プロフィール
板垣李光人(いたがき・りひと)


2002年生まれ。
2013年に俳優デビューし、テレビドラマ『仮面ライダージオウ』、『ここは今から倫理です。』、『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。』、『シジュウカラ』、『インビジブル』、大河ドラマ『青天を衝け』、映画『約束のネバーランド』などに出演。
声優初挑戦となった劇場アニメ『かがみの孤城』が12月23日(金)に公開。
2023年には3度めの大河ドラマ『どうする家康』が放送されるほか、映画『なのに、千輝くんが甘すぎる。』が3月3日(金)に公開予定。俳優業のほか、女性誌でのメイクの連載や、趣味のイラストでデジタルアート作品をNFTでリリースするなど幅広く活躍中。

俳優を続けているのはごく自然なこと

小さいころからカメラの前にいることが当たり前

2歳のころからモデルとしてカメラの前に立っていて、小学5年生から今の事務所に入って俳優として活動を始めました。
 
なので、カメラの前に立っていることが当たり前の生活で。
 
他の選択肢がなかったというのもあるかもしれませんが、それよりも、自分が将来デスクワークしている姿というのが想像できなかったんです。
 
それほど、俳優という仕事はぼくにとって、本当に自然なことだと思っています。
 

大人と一緒に仕事をしていた中学生のころ

そうやって、大人と一緒に仕事をしてきたので、中学生のころも自分より年上の年代の人と話したり仕事をしたりしているほうが好きでした。
 
学校では、一人でいるほうが好きで、あまり目立つタイプではなかったですし、自分の生活のベクトルも、ずっと仕事の方を向いていました。
 
なので、修学旅行とかにも行けていないんです。それは、行っておけばよかったかなって、ちょっとだけ今になって思います。
 
でもそのことで、俳優の仕事を、嫌だな、辞めたいな、と思うことは、一度もなかったです。
 
ぼくにとって俳優は「仕事」という感じではなく、本当にごく自然なことで。
 
表現する方法が、ぼくの場合はカメラの前だったということなんだと思います。

演じるのではなく寄り添うこと

芝居ってすごいなと実感したのは、映画『約束のネバーランド』の出演です。
 
平川雄一朗監督は芝居にとてもストイックな方です。
 
たくさんのことを教えていただきましたが、その方法は、「言葉」で演技を指導するんじゃなくて、動きたくなるように「演出」で教えてくれるんです。
 
行動や言葉の裏には感情が存在するということを、意識することができましたね。
 
同年代の方との共演も刺激になりました。年齢がそんなに違わないのに、存在感を自在に操ることができることに驚きました。



次の年のNHKドラマ『ここは今から倫理です。』でも、役者としての醍醐味を感じた、ぼくにとってポイントとなった作品です。
 
『約束のネバーランド』の世界はファンタジーですが、『ここは今から倫理です。』では愛着障害を抱える、リアリティのある役です。
 
動きを寄せようと作ってしまうと役作りをしている感じが出て、不自然になってしまいます。
 
難しいし大変だと感じましたね。
 
でも、現場に入って他の出演者の方と動くことで、自然に役に入ることができました。
 
ぼくは、役になり切る憑依型ではありません。
 
今回のドラマ「silent」でもそうなのですが、僕はいつも、その役がもつ感情にできるだけ寄り添い理解しようとするスタンスです。
 
ドラマの中の役にも感情はあるし、その役に共感できることもわからないことも、もちろんあります。
 
毎回、役をいただくたびに悩みますけど、その感情に寄り添って向き合うことで、ほかの登場人物たちと存在している世界に入り、自然と動きが生まれると感じます。
 
自分の役を通して、視聴者の方と作品を繋げているという感覚がもてたことも大きいですね。
 
俳優の仕事として、とてもやりがいを感じるところです。

デジタルの匿名性と曖昧さに感じる魅力と可能性

アートは好きですね。絵を描くのも好きで。
 
描き始めたのは中学生くらいからです。画材は、ずっとデジタル。
 
デジタルアートのNFTを始めたのは、デジタルの中の匿名性に興味をもったからです。
 
デジタル特有の匿名性の世界って「本物か贋作か」の概念が曖昧で、その曖昧な世界で価値をつけるということに、表現方法の進化を感じますね。
 

アートでも俳優でも表現することは同じ

 ぼくにとって、表現することも表現したものを感じることも、俳優と同じくらい自然なことなんだと思います。
 
モデルとしてカメラの前に立つことも、俳優として演じることも、アートもデザインも、いろいろな感情や人格を表現したい、伝えたいって思っているから。
 
音楽も聴きますよ。クラシックも洋楽もK-popも。

心地良いと思ったらどんなジャンルでも聴いてます。

ドラマ「silent」姉を想う弟・光と自分

ストレートなセリフが新鮮

今回のドラマは切ないラブストーリーで、ぼくは主人公・青羽紬の弟・光を演じます。
 
ぼくは脚本を読んで感情がそんなに動かないタイプなんですけど、この脚本はけっこうウルウルきました。
 
音がない世界が描かれるんですが、言葉がとてもストレートなんです。
 
言葉が、なんというか裸の状態。でも、とても優しさを感じられる。ぼくにとって、とても新鮮でしたね。

姉想いの弟がもつまっすぐな不器用さを表現できたら

 光と姉の関係も、姉弟としてとても良い関係です。
 
脚本を読んで、お互いがとても大切で、大好きだということはわかりました。
 
でも、ぼくには姉はいないし、音が聞こえない方との接し方や手話もわかりません。
 
なので、光をどう演じるのかは、青羽紬役の川口春奈さんと芝居をしてみないとわからないな、と思いました。
 
実際に現場に入って一緒に演じることで、光の中の姉の存在は本当に大きくて。
 
大切に思うからこそ、20歳がもつストレートで不器用で空回りが表に出てしまう。
 
そんな等身大の光を見ていただけたら、と思います。

光の部屋の演出も見どころ

 光はファッションが好きで、自分でデザイン画を描いたり服を作ったりもしています。
 
そこはぼくとよく似ているんです。
 
そう思ってたら、美術さんがぼくが描いたデザイン画を光の部屋に飾ってくれて。
 
場所や空間の演出って小さいことでも、役の空気感や雰囲気が全然変わってくると思うし、光という存在や物語に血が通う要素だと思うんです。
 
光がいる空間に僕のデザイン画があることで、すごくしっくりきました。
 
光の部屋のシーンのときに、どこにあるのか探してみてください(笑)。

まだやっていないことに挑戦して目標を現実に

20代のこれからは、いろいろなことを試していきたいです。
 
自分がデザインした服を形にしたいし、海外にも行きたい。
 
俳優としても、何か一つのイメージに固まるのではなくて、いろいろな役に挑戦したいです。
 
表現することの新しい楽しさをみつけて、実現させていきたいですね。

失敗することにひるまないで! 高校生への応援メッセージ

できないと思っていることも、失敗してあきらめてしまったことも、生きていればどうにかなります。
 
失敗して落ちてしまったとしても、生きていればもう1回立ち上がって挑戦できる。
 
落ちたり沈んだりすることにひるんで何も行動しないってことが、一番もったいない。
 
人生って何が起こるかわかんないけど、沈んだときにどう動くのかでその先の道が変わるのだと思います。
 
努力してもダメかもしれない。でも、やってみなくちゃわからない。だったら、やってみようって行動したほうが、浮上できるし前に進むことができます。
 
沈むことにひるまずに、行動しよう!



フォロワーアンケートで「板垣李光人さんのインタビューが読みたい!」という高校生のみんなのリクエストにおこたえすべく、お話を聞かせてもらった今回の取材。

質問に対して一つひとつていねいにコメントを返してくれた姿が印象的でした。

これから年末にかけての受験シーズン本番前、最後の模試結果がよくなかったり、点数が伸びなくて「もうダメかも」って思うこともあるかもしれないけど、失敗しても大丈夫。

「沈んだ先でどう動くかが大事」という板垣さんのコメントを思い出してほしいな!
木曜劇場『silent』


毎週(木) 22時~22時54分
脚本:生方美久
主題歌:Official髭男dism 「Subtitle」
出演:川口春奈、目黒 蓮(Snow Man)、鈴鹿央士、桜田ひより、板垣李光人 / 夏帆 / 風間俊介、篠原涼子 他
 
音のない世界で再び出会った二人が織り成す、切なくも温かいラブストーリー。
大切な人との別れを乗り越え、今を生きようとしている女性と、障がいを患ってしまったことで自分と向き合えず別れを選んでしまった青年。音のない世界でもう一度“出会い直す”ことになった二人と、それを取り巻く人々が織り成す、せつなくも温かい物語が紡がれていきます。


写真集『板垣李光人 20 th Anniversary Photobook Interlude』


発売:2022年12月18日(日)
撮影:田形千紘/MELON[TRON]/廣瀬順二
価格:2750円(2500円+税)
発行:SDP
 
今年1月に20歳を迎えた板垣李光人のアニバーサリーフォトブック「Interlude」が発売決定。
10代のあどけなさが残るナチュラルな姿や20歳の誕生日当日に撮影されたスペシャルシュート、さらに20代に突入しクールな色気を纏った表情など、本作ならではの“板垣李光人”のオリジナリティあふれる魅力が凝縮された一冊。

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メイク:佐川理佳
スタイリスト:伊藤省吾(sitor)
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