自分を信じて今をやり切って!女優・吉田美月喜さんから高校生のみんなへ応援メッセージ
今回のスペシャルインタビューは、映画『あつい胸さわぎ』で主演の吉田美月喜さんが登場!
若年性乳がんの不安と恋に揺れ動く18歳の、等身大の姿を熱演した吉田美月喜さんからの応援メッセージは、受験に立ち向かっているみんなにとって大きな力となるはず。
幼いころからの夢に、自分を信じて飛び込んだ吉田さんからのエール、みんなに届け!
吉田 美月喜(よしだ・みづき)
2003年3月10日生まれ、東京都出身。近年の出演作品に、Netflixシリーズ「今際の国のアリス」(20)、「ドラゴン桜」(21)、日本テレビ系「ZIP!」内ドラマ「サヨウナラのその前に」(22)、映画『たぶん』(20/監督:Yuki Saito)、『メイヘムガールズ』(22/監督:藤田真一)、鴻上尚史作・演出舞台「エゴ・サーチ」(22)など。主演映画『カムイのうた』(監督:菅原 浩志)、『パラダイス/半島』(監督:稲葉雄介)が23年公開予定。
また、2月25日から放送予定の日本テレビドラマ「沼る。港区女子高生」にメイン出演が決定している。
目次
運命とタイミングをつかんだ女優の仕事
「今は勉強する時」とあきらめたモデルの夢
女優の仕事を始めたのは、中学生の時にスカウトされたのがきっかけです。
私、小学生の時は、眼鏡をかけて髪も短くて、スポーツをやっていたので年中真っ黒で、男の子みたいって言われていたんです。
でも、「かわいい服を着ていいなあ」という理由で、モデルになりたいと思った時があって、そのことを母に言ったんですね。
すると、母は反対。
「今は勉強する時」と言われてしまいました。
運命がチャンスを引き寄せ女優の道へ
反対されて、モデルになれないと泣いている私に母は
「もしあなたがモデルや芸能界に行く運命なら、きっとまたチャンスが訪れるはず」
とも言いました。
でも、小学生の私にはその意味がわからなくて。
そのうちモデルへの夢もすっかり忘れて、スポーツに打ち込んでいました。
中学生の時にスカウトされて、カメラテストを受けることになったのですが、そのカメラテストの帰り道に、今の事務所のマネージャーに声をかけていただきました。
この時一緒にいた母が「こうやってチャンスが来たということは、今があなたの人生のタイミング」と言ってくれたんです。
母ってすごいなって思いました。
小さい頃、「今はそのタイミングじゃない。勉強をする時」という言葉を信じてよかったって思います。
母の言うことを信じていなかったら、全然違う道を歩んでいたかもしれないし、今回の作品にもあえていないわけですから。
作品との出合いは運命とタイミング
この仕事を始めてから、オーディションで決まらなくて落ち込んだりすることもありますけど、そんな時は母の「今はそのタイミングじゃない。運命ならチャンスはやってくる」という言葉を思い出して、切り替えています。
演技をやりたいと思って今の事務所に入りました。でも、最初は本当に何もわからなくて。
同じ頃に入った女の子たちとレッスンを受けているうちに、負けたくない!と思うようになって、一生懸命でしたね。
スポーツを続けていたおかげなのか、負けず嫌いなんです。この部分は今の仕事に生かされていると思います。
母との「中途半端なことは絶対にしない」という約束も大きいですね。
今は現場に行けることがとてもうれしくて楽しいです。
もっといろんな現場や作品を経験したい!という思いが、モチベーションとなっています。
作品の一つひとつが、人生のタイミングの中で出合えたもの。
毎回「この作品に出合えたことが運命」という気持ちで現場に向かっています。
自分を信じた高校時代
経験してみたかった修学旅行と文化祭
中学生の終わりころから事務所に入って活動していたのですけど、この仕事に出合えたことがとてもうれしかったし頑張りたいことだったので、好きなことを優先した高校生活でしたね。
でも、ほぼコロナ禍だったので、登校すらできない状態が続きました。
修学旅行や文化祭もできなくて、青春的なイベントがほぼできなくて、その点では寂しかったです。
今自分が好きでいることを大切に
卒業が近くなると、将来何になりたいのか、就職はどうするのか、大学はどの学部に行くのかという声が周りから聞こえてきて、私も進学するかしないかで葛藤しました。
私はこれまで、将来やりたい仕事を具体的に考えたことはありませんでした。
でも今は、演技することが本当に楽しくて、何よりも優先させたいのは仕事でした。
先輩たちからも、この仕事を続けながら大学に行くメリットとデメリットについてアドバイスをいただきました。
その時に、「大学で学んだことは将来の自分に役に立つけれども、『ここで学びたい!』とさほど強く思えない大学にうやむやな気持ちのまま行ってしまったら、仕事のチャンスを逃すかもしれないよ」と教えてくれた先輩がいたんですね。
この言葉を聞いて、私が今すべきことは、何となく大学に行くことではなく、人生のタイミングでつかんだ好きな仕事を、悔いのないように続けることだと感じたんです。
「今は自分が好きなことをやろう、演技の勉強に邁進しよう」と決心しました。
『あつい胸さわぎ』で主役を演じて
©2023映画『あつい胸さわぎ』製作委員会
同年代だからこそ伝えられること
若年性乳がんがテーマということで、暗い話だったらどうしようと思って脚本を読み始めたのですが全然そんなことはなくて、ひとりの少女の成長物語だと感じました。
ストーリー全体にただよう、とても温かい空気が印象的な作品です。
私が演じた主人公の千夏は、高校を卒業して行きたかった大学に入学して、もう自分は大人だと思っている。
でも、初期の乳がんかもしれないと知ると、やっぱりまだひとりでは何も決められない子どもであることを自覚してしまう。
そんな思春期の葛藤を、同じ年代だから伝えられるのではないかと思っています。
情報社会だからこそ抱える不安
©2023映画『あつい胸さわぎ』製作委員会
この役が決まった時に「若年性乳がん」についていろいろ調べてみたんです。
でも、今は情報社会だからなのか、ネットで調べるといろんな情報があふれていて、結局、何が正しいのかがまったくわかりませんでした。
千夏もきっと同じ経験をして不安だったんだろうなと思い、私も千夏に共感すると同時に不安になりました。
恋と病気の不安に葛藤する等身大の成長物語
©2023映画『あつい胸さわぎ』製作委員会
病気への不安と対比する形で「初恋」のテーマが進んでいくのですが、誰も意図していない形で傷ついたり傷つけられたりするところは、とても切なく感じました。
特に、千夏の好きな人が、千夏のコンプレックスのきっかけとなった人に惹かれていると知り、信頼している人に裏切られたと感じてしまうシーンは、とても千夏にとってもつらいことだし、切ないですよね。
それでも、千夏が病気への不安や初めての恋のなかで壊れないでいられたのは、反発したりけんかしたり、でも大好きで大切に感じている、千夏の周りにいる大人たちに守られていたからではないかなと思います。
自分がいかに守られている子どもだったと知る。
そんな千夏の成長を、見る人に感じていただければと思います。
吉田美月喜さんから高校3年生のみんなへメッセージ
最後に高校3年生のみんなへ、吉田美月喜さんから応援メッセージをもらったよ。
夢をつかむまであと少し。力を出し切るみんなにエールよ、届け!
自分の「好き」を信じて高校時代を駆け抜けて
高校時代は一度きりです。卒業まで思いっきり楽しんでほしいと思います。
そして、自分が「好き」と感じたことは、自分を信じて取り組んでください。
もしかしたらその時の環境や事情でうまくいかないことになるかもしれません。
でも、それは今がタイミングじゃなかっただけ。
本当に好きなら、チャンスは別の形でめぐってきます。
自分を信じて「今」を精いっぱい駆け抜けてください!
2023年1月27日(金)新宿武蔵野館、イオンシネマほか全国ロードショー
©2023映画『あつい胸さわぎ』製作委員会
監督:まつむらしんご原作:戯曲『あつい胸さわぎ』横山拓也(iaku)
脚本:髙橋泉
出演:吉田美月喜 常盤貴子 前田敦子 奥平大兼 三浦誠己 佐藤緋美 石原理衣
配給:イオンエンターテイメント/SDP
港町の古い一軒家で、母・昭子と二人で暮らす千夏。念願の芸大に合格した千夏は、創作小説の課題「初恋の思い出」に、大学で再会した初恋相手の光輝から言われた言葉と想いを綴り始める。ある日、昭子は千夏の部屋で乳がん検診の再検査通知を見つけ、再検査に訪れた病院で結果を知る。初恋の胸の高鳴りは、いつしか胸さわぎに変わっていった…。
公式サイト: https://xn--l8je4a1a7e6m7952c.jp/
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▼ヘアメイク
横山藍(Ai Yokoyama)
▼スタイリスト
岡本純子(Junko Okamoto)
▼衣装クレジット
・ニット ¥22,990(税込)
・スカート ¥22,990(税込)/共にエレンディーク
・レースアップシューズ ¥26,400(税込)/アデュー トリステス
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