【イベント】全国の高校生が生徒会の活性化を議論

みんなの代表として、高校生活をより良くするために活動している生徒会。

 

「もっと生徒会を盛り上げたい!」「生徒会中心に学校を変えていきたい!」

 

--そう考えている全国の高校生約180人が4月2~4日に東京に集結し、第2回生徒会大会が開催された。

 
 

■企画から運営まで高校生が自主的に開催

 

大会開催のねらいは、全国の生徒会役員が直接交流することで、役員個人の能力向上を図るとともに、より良い生徒会運営につなげることだ。

 

主催したのは、高校生が自主的に組織する「第2回全国高校生徒会大会実行委員会」。関東と関西に実行委委員長がおり、それぞれ海城高校3年菅野泰史さん(前生徒会長)と西大和学園高校3年の加藤独歩さん(前生徒会長)が務めた。

 

SNSのクチコミを中心とした呼びかけにより、北は青森、南は沖縄までの27都府県から71校179人の高校生が参加。15のグループに分かれ、学校行事、組織運営、内務活動(校内の生徒に対する活動)、外務活動(学校間交流)、社会貢献のいずれかのテーマについて、現状の問題点の洗い出し、その解決方法について議論。課題解決案を「公約」という形でまとめ、模擬選挙演説(プレゼンテーション)を行った。

 

【イベント】全国の高校生が生徒会の活性化を議論_01

 

多くの高校では、一般生徒の生徒会活動への関心が低い、生徒会の企画提案がなかなか通らない、学校行事が盛り上がらないなどの課題を抱えている。

 

そうした状況を踏まえて、各グループのプレゼンでは

 

「生徒会役員に報酬を与え、役員のやる気や一般生徒の関心を高める」

 

「一対一のコミュニケーションを基本として、まじめさと親しみやすさのバランスがとれた生徒会組織にする」

 

「生徒一人ひとりの趣味が生かせる地域イベントを企画して、社会貢献に対するやる気スイッチを押す」…など多彩なアイデアが出た。

 

テーマはいたってまじめだが、会場の雰囲気は明るい。関西弁のトークによる司会進行、小芝居や一発芸を交えたプレゼンに、笑いが起こることもしばしばだった。

 

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■この大会をスタート地点として

 

出された15の「公約」については、審査員および参加者の投票による模擬選挙を実施。

 

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最優秀賞に輝いたグループの公約は、学校全体の生徒が参加できる学校間交流を実施すること。一般的に生徒会の外交は、役員だけの交流にとどまりがちだ。そこで、役員以外の誰でも参加できる、他校の授業を1日体験するイベントの開催を提案。会場からは「先生の協力も必要だが、開催できたらおもしろい」などの声があがった。

 

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最後は、加藤委員長が「全国生徒会大会はスタート地点。この大会に参加しただけでは何も始まらない。これからの生徒会活動に生かしていってほしい」と参加者に呼びかけ、会を締めくくった。

 

今回初めて参加した、都内の女子校で生徒会長を務める森谷菜奈子さん(高2)は、参加の感想をこう語っている。

 

「全国区の集まりに参加したのは初めて。いろんな地方の高校生が集まっているから、しゃべるスピードも考えていることも違って、最初は議論が全然まとまりませんでした。でも、いろんな意見を聞いて視野が広がった気がします。私は自分の学校の良さをもっと多くの人に知ってもらうため、まず私たち生徒が充実した生活を送ることが重要だと思っています。生徒会では、その環境づくりを行っていきたい。今回の大会でたくさんのヒントを得たので、今後の生徒会活動に生かせそうです」

 

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第1回大会では、そこで出たアイデアをもとに、全国の生徒会がつながって生徒会活動のノウハウを共有するWebサイト「教えて!生徒会」が誕生した。今回の大会では、どんな取り組みが具体化するだろうか。

 

今回参加していない生徒会に向けて、実行委員を務める帝塚山学園高校3年の川島太志さん(前生徒会長)は、「ほとんどの参加者が初対面にもかかわらず、すぐに意気投合し、活発な話し合いをしていました。今回参加をためらった高校生も、ぜひ次はここで自分の思いの丈をぶつけてほしい」とメッセージしている。

 

来年度の大会に向けて、もう実行委員の募集は始まっている。興味のある人はサイトをのぞいてみよう。