鑑賞した人を必ず虜にしてしまう!?深沢高校和太鼓部の魅力とは

東京都立深沢高校には、国内外から「演奏に来てほしい!」と声がかかるほどの腕前を持つ“和太鼓部”がある。

 

東京都代表として全国大会に9回も出場し、中国政府からの要請で北京でも演奏。

 

さらに、2020年の東京オリンピック招致を勝ち取るべく都庁で行われた出陣式では、安倍首相らの前で華麗な演奏を披露したというからすごい。

 

そこで、深沢高校和太鼓部の演奏を聞きに行ってみることに!

 

実際に和太鼓部の演奏を見せてもらうと、思わず後ずさりしてしまいそうになるほどの力強い音と、響き渡る「サーッ!」というかけ声、その威勢の良さと迫力がとにかくかっこよくてホレボレした。

 

鑑賞した人を必ず虜にしてしまう!?深沢高校和太鼓部の魅力とは_01

 

2年生の松熊くんに入部のきっかけを聞いてみると、

 

「先輩の演奏を見たのがきっかけです。和太鼓の演奏を見るのは初めてだったんですけど、心臓に響く音と演奏している姿がかっこいいと思ったんです」

 

と教えてくれた。たしかにこの演奏を見たら入部したくなるのも納得だ。

 
 

■練習は体力作りからスタート

 

でも、ここまでかっこいいパフォーマンスに仕上げるのはかなり大変そう…。普段どんな練習をしているの?

 

「和太鼓をきれいに響かせるには、力強く太鼓を叩くことが大切なので、腹筋や背筋などの筋トレは必ずやっています。あとは、5分間ひたすら太鼓を打ち続ける“基礎打ち”をしてウォーミングアップをします。これを続けていると手にマメができて皮がむけてしまってかなり痛いんですけど、頑丈なテープを手に巻いて練習を続けていますね」(2年生・中村さん)

 

手がそんな状態で演奏を続けるなんて、想像しただけでも辛い。和太鼓ってやっぱり体力勝負なんだ。

 

「体力以外にも、うちの部では、より太鼓を表情豊かに演奏できるように、楽譜を使わずに目と耳で太鼓を叩くタイミングを覚える必要があるんです。和太鼓は1人でも音を出すタイミングがズレたりリズムが狂うといい演奏にならないので、部活の時間以外でも自分のパートを体で覚えるために、机や膝を叩いて常に練習しています」(2年生・釼持さん)

 

1曲8分ほどある演奏内容を目と耳だけで覚えるなんて相当難しそう…。

 

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■和太鼓を通じて得られる喜び

 

心技体すべてが求められる和太鼓。そんな厳しい練習を続けていける理由は何なんだろう?

 

「和太鼓の演奏には指揮者がいないので、みんなで息を合わせるのが難しいんです。でも、練習を重ねて本番でバチっとそろったときのうれしさが半端ないんです! この気持ちよさは和太鼓でしか味わえないと思いますね」(2年生・山田くん)

 

「うちの部は、老人ホームなどの施設に演奏に行くことが多いのですが、私たちの演奏を見てとても喜んでくれるんですよ。そんな笑顔を見ていると、『もっと練習して良い演奏をしたい!』と思うんですよね。世代を越えた繋がりがもてるのは、日本に昔からある和太鼓という楽器ならではの魅力だと思います」(中村さん)

 

息が合う気持ちよさ、和太鼓だからこそ出会えた人との繋がり…。練習の先にあるやりがいと達成感が、深沢高校和太鼓部の士気を高めているのかもしれない。

 

演奏を披露する機会は全国各地で年70回ほどあるとか。ぜひ一度、高校生たちの熱い演奏を生で味わってみては?