その自転車の乗り方、大丈夫!? 今後は罰金の可能性も!

「信号無視」「一時停止をしない」「道の右側を通行する」…。みんなはこんな自転車の乗り方をしたことはないだろうか。
 
ひとつでも思いあたる人は、注意が必要!
 
今年の6月から、「危険」とみなされる乗り方をしている人には「自転車運転者講習」が義務付けられた。3カ月以内に受講しなければ、5万円以下の罰金を払わなければならない(3時間で講習料は5700円)。
 
そして、これは14歳以上が対象なので、高校生も例外ではない。
 
そこで、警視庁交通部管理官の濱田里司さんに、高校生が注意すべき自転車の乗り方や実際の事故の例などをお聞きした。
 

「2台が横並びで並走」「傘差し運転」は取り締まりの対象に

 
今回の改正で定められた自転車運転の危険行為は、一時停止をしない、左側通行をしない、信号無視をするなど基本的なルールを含む14項目だ。
 
これらの行為を3年以内に2回以上した場合には、講習を受けなくてはいけない。
 
濱田さんによると、この中で特に気をつけたいのが「安全運転義務違反」という項目だ。
 

 

「具体的にはスマホをいじったり、傘をさしたりして片手でハンドルを持つ行為や、イヤホンで音楽を聴いて周りの音が聞こえづらくなる行為など、安全に運転できていない状態で事故を起こした場合が当てはまります。このような運転はハンドル操作が不十分になったり、注意力が鈍ったりしますので絶対にしないようにしてください。」

 
その他、バランスが崩れやすい「2人乗り」や「夜間にライトを点灯させないこと」もとても危険な行為なのでやめよう。
 

「また、中高生に多いのは2台が横並びになる並進です。こちらもお友達と自転車に乗りながらおしゃべりしたいのはわかりますが、違反となることはもちろん、道幅を大きくとるのは歩行者や車の邪魔になりますから、気を付けましょう。」

 
「ちょっとくらい大丈夫」と思う気持ちは禁物だ。
 

1日に1人以上の高校生が事故に遭遇!?

 
2015年の1月~5月の間に、東京都内で起きた自転車事故は約5000件、そのうち、高校生が関わった事故は257件。これはみんなと同じ高校生が、1日に1人以上事故に遭遇しているという計算だ。
 
具体的に、どのような運転が事故につながってしまったのだろうか。
 

 

「高校生に多いのは、通学時のスピードの出しすぎや交差点での安全不確認です。それによって通りに出てきた歩行者や自転車にぶつかってしまう事故がとても多く、自転車事故全体でいうと、半数以上がこの出会いがしらに起きているのです。」

 
授業に遅刻しそうな時、塾の時間に遅れそうな時、つい夢中で自転車をこいでしまう高校生は多い。何かにぶつかりそうになって、あと一歩で事故というヒヤっとした瞬間を経験したことがある人も多いのでは?
 

ちょっとの油断が死亡事故を招いたケースも

 
最後に、高校生も知っておいてほしい情報として去年の死亡事故の例を教えてくれた。
 

「自転車に乗っていたAさんが、後ろを確認せずに反対側の歩道へななめ横断をしたんです。そのまま後ろから来たバイクに気付かずに激しくぶつかってしまいました。結果として、Aさんは軽い怪我で済んだのですが、バイクを運転していた方が亡くなるという痛ましい事故でした。」

 
このぐらい大丈夫という気の緩みが、最悪の事故を招いてしまうことがよくわかる例だ。
 
自分が事故を起こして怪我するだけではなく、誰かを巻き込み怪我をさせ、死なせてしまうことにならないように、いまいちど自分の自転車の乗り方について考えてみてはどうだろうか。
 

 
警視庁ではPCやスマホで気軽にできる交通安全講座も公開しているので、こちらで楽しく安全ルールを学んでみるのもおすすめだ。
 
詳しくは、けいしちょう自転車安全教室まで