「留学したい」3割、「外国で働きたい」2割。高校生の海外志向
今や好むと好まざるとにかかわらず、高校生も「グローバル」を意識させられる時代。高校・大学でも留学支援体制の整備が進んでいるし、企業でも海外赴任・出張や外国人とのやりとりを意識した人材採用が加速している。
では、高校生は留学や海外赴任などにどの程度関心をもっているのだろうか?
というわけで、リクナビ進学では3月に全国の高校生300人を対象にアンケートを実施。まずは留学意向に関する結果はこちら。
留学したい高校生は約3割。そのうち、男子が25.5%なのに対して女子は41.0%。男女で明らかに留学意欲に違いが出ているのがわかる。では、「留学したい理由」「したくない理由」をみてみよう。
●留学したい理由
「変わった体験ができて考え方も変わりそうだから」(高1女子/京都府)
「英語が得意なので、留学して自分の力を試したいから」(高2女子/長崎県)
●留学したくない理由
「お金がかかるし、危険なので」(高3男子/神奈川県)
「英語が話せないから」(高1女子/滋賀県)
留学したい派は、世の中の動きを意識してというより、自分の興味や向上心が動機になっているケースが多いよう。したくない派からは、最近海外で日本人が犠牲になる事件が続いたせいか、治安を不安視する声も目立った。なお、留学したい地域としては、ヨーロッパ(69.9%)、北米(60.3%)が上位に。
次に「将来、海外で働きたいか」と聞いてみた。
「働く」となるとハードルが上がるのか、「働きたい」は10ポイント以上減って、約2割。こちらもそれぞれのコメントを紹介しよう。
●海外で働きたい理由
「日本だけで働くのはもったいないと思う。いろいろなところで働きたい」(高2女子/鳥取県)
「世界を股にかけるアクティブなビジネスマンに憧れるから」(高1男子/熊本県)
●海外で働きたくない理由
「地元で平凡な暮らしがしたいから」(高3男子/新潟県)
「言葉の壁や食文化、気候など心配が多いから」(高1男子/山梨県)
働きたい派の中にはすでに具体的な仕事のイメージをもっている人も。働きたくない派で圧倒的に多かったのは「英語ができない」だったが、留学したくない理由と同様、治安を不安視する声も目立った。
働きたい地域はやはり、ヨーロッパ、北米が人気。また、日本企業の進出が続いている東アジア(中国、韓国など)は9.9%、東南アジア(シンガポール、マレーシアなど)は14.1%だった。
最近は、海外に積極的に出たいという高校生も目立ってきた一方で、若者全体の内向き志向が指摘されることも多い。こうした二極化傾向は今回のアンケートにも表れているが、あなたはどちら派だろうか?