通学途中の大地震にも慌てず身を守る10の知恵

電車やバスで遠くの学校まで通っている高校生も多いだろう。
そんな通学途中に、もし大地震が起こったら…? 

 

1人でも慌てず自分の身を守るために知っておきたいことを、危機管理教育研究所代表の危機管理アドバイザー国崎信江さんに聞いた。

 

今日から始める通学時の工夫

突然やってくる大地震。立ち位置のほんの少しの違いが、生死を分けることもある。
 
今日から下記の点を心がけ、万が一の際の被害を最小限にとどめよう。

 

1.駅のホームでは電光掲示板等の下、自動販売機の近く、ホームの端を避けて立つ

「地震の揺れで落下や転倒の危険がある物の近くや、線路に落ちる危険があるホーム端には、普段から立たないようにしましょう」(国崎さん/以下同)

 

2.バスの中では最後部の中央席には座らない

「最後部の中央席は前面が空いているので、突然の急停車の際、体が吹き飛ばされる危険があります」

 

3.電車やバスの中では手すりやつり革につかまり、体を進行方向に向けておく

「非常時に急停車した際、どこかにつかまっているかや体の向きによって、受ける衝撃の強さは大きく違います」

 

地震発生時、まずどう行動するか

人はイメージしていないことは行動できないと言われている。
大地震が発生した時とっさにどう行動するか、場所別にイメージしておこう。

 

4.【駅のホーム】停車中の電車があれば車両内に避難する

「車両は頑丈な造りで、飛来落下物からの危険を避けることができます」

 

5.【地下鉄・地下街】駅員・係員の指示に従って地上へ

「慌てて出口へ向かうのは危険。駅員・係員の指示に従って冷静に行動を」

 

6.【街中】丈夫そうな建物に入る。車道に出るのはNG

「丈夫そうな建物の入口付近で、飛来落下物から身を守りましょう。
落下物を避けようと車道に出るのは危険。コントロールを失った自動車が暴走してくるおそれがあります」

 

7.【自宅近く】自宅が倒壊や津波の危険がある場合、帰宅せず安全な場所へ

「『近さ』ではなく『安全性』を考えて移動することが大切。
駅前に掲示されている地図などで広域避難所を確認して安全な場所に移動しましょう」

 

家族で考える安心の備え

それぞれの通学路や家庭によって必要な準備は異なる。
自分の場合の備えについて、一度家族とも話し合っておきたい。

 

8.バッグの中に非常時に役立つ物を入れておく

「帰宅困難者用マップやスマホの地図アプリ、ペンライト、笛、携帯電話バッテリーなど、それぞれの通学手段や経路に合わせて必要なものを用意しておくと安心です」

 

9.通学途中、「今ここで大地震が起きたら」をシミュレーションしておく

「地震発生時、瞬時に安全な場所を判断するのは難しいもの。
普段から安全性が高そうな建物や避難経路をチェックしておきたいですね」

 

10.家族との連絡方法を確認して持ち歩く

「災害用伝言ダイヤル『171』や伝言板サービスなど家族との連絡方法を取り決め、Facebookやtwitterを使っている場合は家族のアカウントをメモしておきましょう」

 

「大地震はいつ起こるかわかりません。
『いつかやろう』と先延ばしにせず、早い段階で対策をとっておきましょう」と国崎さん。
 

できることからすぐ始めてみてはどうだろうか。