部活引退後の大きな悩み…体重増加を防ぐコツとは?
運動部を引退した高校3年生のなかには、「運動をやめて体がプヨプヨしてきた…」なんて人もいるのでは?
そこで今回は、「食と栄養で健康美人を作る」ということをモットーにダイエット指導を行っている管理栄養士の梅原祥太先生に、部活引退後のダイエットに効果的な食事方法についてお話をうかがうことに!
炭水化物の量は今までの7割程度に
「一番効果的なのは、白米やパンなどの炭水化物を減らすことです。
運動している時は、エネルギー源として炭水化物に多く含まれる“糖質”が必要でした。
でも、糖質は消費されないと脂肪になるので、部活引退後も今までと同じ量を食べていると、エネルギーとして使われなかった糖質が蓄積して太ってしまうんです。
『主食を減らすなんてムリ!』と思うかもしれませんが、運動をやめた体は今までよりエネルギーを欲していないので、2~3週間ほど経つと、自然と適切な摂取量に体が慣れていきますよ」
ちなみに、激しい運動をしていない人は、白米なら一度の食事でお茶碗7分めほどが適量だそう。
筋肉の分解を防ぐためにたんぱく質を多く摂る
「『ダイエット=食べない』という高校生は多いと思いますが、必要な栄養素を摂らないと、リバウンドしたり代謝が落ちる原因に…。
特に、今まで部活で鍛えてきた人は筋肉量が多いので、タンパク質を積極的に摂らないと、筋肉が分解されやすく、脂肪が落ちにくくなるため、全体的にプヨプヨしてしまいます。
タンパク質を多く含む食材は、肉や魚、大豆製品などですね。
脂質のことも考える場合は、お肉なら鶏のささみや胸肉、牛ヒレ、魚なら白身がオススメです。炭水化物を減らしても、タンパク質の多いおかずをたくさん食べれば満腹になりますよ」
卵は超優秀食品!
「ダイエット中にぜひ食べてほしいのが卵!
卵は、タンパク質が豊富なだけでなく、食物繊維とビタミンC以外の栄養素をすべて含んだ“完全栄養食品”なんです。
ゆでたまごならコンビニでも手軽に買えるので、『お腹が空いたな』と思ったら、お菓子ではなく卵を食べるようにするだけでも、体型維持に役立ちます。
卵は、お菓子よりカロリーが低く、満腹感も得やすいので、深夜や勉強中に小腹がすいた時にもオススメです」
食べる順番は食物繊維→タンパク質→炭水化物
「高校生の場合、ご両親が食事を作ってくれたり、育ち盛りの兄弟に献立を合わせたりと、食事の内容を変えるのが難しいこともあると思います。
そんな時は、食べる順番を変えてみましょう。
空腹時は最も吸収率が高いので、糖質を多く含む炭水化物は避け、食物繊維から食べるといいですね。理想の順番は、
1.食物繊維が豊富な野菜
2.肉、魚、大豆製品、卵などのタンパク質
3.糖質を多く含む白米やパンなどの炭水化物
これを守ることで、炭水化物を食べるころにはお腹がいっぱいになって、自然と量を減らせるというメリットもあります。
ちなみに、よく噛んでゆっくり食べることでも満腹感を得やすくなりますよ」
甘いものは食事から1時間後に
「『甘いものは食後に…』と思いがちですが、食後すぐに食べると、食事で上昇した血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)がさらに上がってしまうので太りやすくなってしまいます。
かといって、食事前の空腹時に食べると急激に血糖値が上昇するのでこれもNG。オススメなのは、食後から1時間ほど経ったころ。
このタイミングなら、食事で上昇した血糖値が緩やかに下がり始めているので、甘いものを食べても血糖値が極端に高くなることは少なく、急激な上昇も防げます」
血糖値は、急上昇すると急下降するという性質があるそう。急下降すると、脳は「体内に糖が足りない!」と勘違いして甘いものをどんどん欲してしまうとか。危険…!
運動するならランニングより筋トレ!
「受験勉強の息抜きに『体を動かしたい』という人は、ランニングや水泳などの有酸素運動ではなく、筋トレなどの無酸素運動がオススメですね。
有酸素運動は、脂肪燃焼と同時に筋肉も分解してしまい、さらに大量のエネルギーが必要になるので、糖質を求める体に逆戻りしてしまいます。
運動を継続できる場合はいいですが、時々やる程度なら避けた方がいいですね。それよりも、筋力維持と代謝アップが期待できる筋トレのほうが、ダイエットには効果的です」
ダイエットは1日ではなく1週間単位で考えよう
「どんなにダイエットを頑張ろうと思っていても、友達に『マックに寄っていこう!』と誘われたり、家族で食べ放題に行くことになったりと、高校生が食事管理をするのには限界があります。
そんな時は、一週間単位で食べる量を調節してみましょう。
たくさん食べた次の日は、タンパク質を摂りながら食事の量を減らす。
日曜日に食事の約束があったら前日は軽めにするなど、一週間のなかでバランスを取ればいいんです。
そのために、日頃から食事記録をつけて『何をどれくらい食べたか』を振り返れるようにするといいですね。
体重も、毎日計って一喜一憂するよりも、一週間ごとに測定するほうが正しい変化がわかりますよ」
極端なダイエットは、リバウンドや体調不良のもと。
春からの大学生活に備えて、正しいダイエットで健康的なボディを目指してみては?
***識者プロフィール
●梅原祥太
管理栄養士。病院勤務を経て、現在はフリーでダイエットや過食、体質や肌の悩み、身体と心の不調などを食事から改善するためのサポートを中心に活動。 食事を変え、脂肪だけを11kg落とすことに成功した経験から、一人ひとりに合った食事や食事法を提案。正しいダイエットに加え、健康を維持・増進するためのより良い食事についてアドバイスをしている。
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