新卒でユニクロに入社し、日本で店長を経験した後、上海に赴任しました。上海では生産MDとしてデザイナーやパタンナーなど各部門と連携し、シーズンごとの商品企画、デザインや素材の決定などを行っています。インド、バングラデシュ、ベトナムをはじめ各国にあるパートナー工場とも連携しながら動くため、商品誕生の背景には多くの人の支えがあることをMDになって痛感しました。国籍も仕事のスタンスも経験も異なる仲間たち。そこで大切なのは一方的に指示を出すのではなく、相手の声に耳を傾け、そのうえでこちらの考えを伝えること。さまざまな違いを越え、「良い服をつくりたい」という思いでみんなが一つになる瞬間、大きな喜びを感じます。
英語そのものを学ぶより、英語を使って何かしたい。そう考えていた私にとって、英語で経営を学ぶ国際経営学科は理想の場所でした。学部の一期生ということもあってクラスの絆は強く、みんなで深夜まで課題に取り組んでいたのを覚えています。勉強しなきゃという義務感からではなく、お互いに刺激し合いながら学ぶ時間が楽しくて。学部には留学生も多くいたので、授業以外でも英語を使って多国籍の仲間と交流するのが日常でした。海外で働くようになって「接しやすいね」と言われたことがあるのですが、文化や価値観が違っても自分と人との間に境界線を引かず、コミュニケーションできるのは、経営学部で多様な考えをもつ友人に会えたからです。
2018年の9月から約6カ月間、社内公募のプログラムを通じて、インドのUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)で難民問題を学び、現地で難民の自立支援活動にも携わりました。社会の課題解決のために何ができるのか考える中で、服には大きな可能性があると感じています。先日も、インドやバングラデシュのスタッフと話をする中、「もっと技術を高めたい」「自分の力を仕事に役立てたい」という彼らの情熱と向上心を感じ、服を通してみんなが豊かになる環境を世界各地で創出したいと強く思いました。「服のチカラを、社会のチカラに。」これはユニクロのサステナビリティ・ステートメントですが、私自身のテーマでもあります。
株式会社ユニクロ 商品本部 生産部 勤務/経営学部 国際経営学科/2010年3月卒/もともと英語が好きで「海外で仕事をしたい」という目標をもっていたことから、“英語で経営学を学ぶ”立教大学経営学部に進学。在学中はIFL国際交流会というサークルに在籍し留学生と交流を深めるほか、2~3年次にかけては大学の派遣留学制度を活用しニュージーランドに留学。4年間を通して国際交流や英語能力の向上に力を注いだ。「その時々で一番興味があることに全力投球していました。将来のため、就職のためにこうするというのではなく、自分が挑戦してみたいこと一つ一つに一生懸命取り組むことが、その先の未来につながると、社会に出てから実感しています」。