脳の病気を患った患者さんの自宅や施設などに伺って、リハビリを行っています。患者さんの症状は、言葉を理解することや発することが困難だったり、食べ物や水分を飲み込む力が低下したりと、さまざまです。そういった方々と信頼関係を築き、どのようなリハビリが必要かを考えていきます。信頼関係を築くために大事なことはコミュニケーション。リハビリの意味が伝わらないと、結果が表れにくいですし、拒否されてしまうこともあります。そのため、しっかりとリハビリの意味や目的を説明し、患者さんやご家族様と希望や目標を共有していきます。「ありがとう」や「楽しかったです」といった言葉をいただくたびに、大きなやりがいを感じますね。
学生時代に一番力を入れていたことは実習です。実習になると緊張してしまうので、事前にやる内容をしっかり確認して、検査の練習も入念に行っていました。また、実習先で患者さんを前に体操をすることがあったのですが、そのときは大きな声を出すことでやり遂げられたことを覚えています。そうした学生生活の中で、仲間や先生と練習した検査方法は、今の現場でも活かされています。苦手なところは先生方も把握してくださり、寄り添って教えてくれたことがありがたかったですね。また、友達はみんな同じ目標を持っていたので、テスト勉強や実習、国家試験勉強など、いつも協力して、乗り切ることができたことも思い出です。
学ぶ内容が専門分野であれば、クラスの中に同じ夢を持っている仲間が多いので、分からないことやもっと知りたいことをたくさん共有できます。先生でも友達でもいいので、いろいろな人の意見を聞いてみることで視野が広がるでしょう。私自身、話を聞いたことで、自分が知らないところでも言語聴覚士が関わっていることを知り、働く場所を探す手がかりにできました。他にも、私は友達にこの学校を選んだ理由などを聞いて、自分の学習へのモチベーションを上げていました。また、リハビリ職では、患者さんと信頼関係を築くためにもコミュニケーションが必要となります。学生時代にいろいろな人と話をして、コミュニケーション能力を磨いてください。
医療法人渓仁会札幌渓仁会リハビリテーション病院勤務/言語聴覚学科 卒/2021年卒/高校生の頃から将来は医療関係の分野で、コミュニケーションが大事になる仕事がいいと考えていた木明さん。現在の職場を選んだ理由は、「学生の頃に実習に来てすごく勉強になったことと、指導いただいた先生方に魅力を感じたためです」という。また、リハビリ職については、「苦手な分野もあるので、そういった患者さんを担当した際は先輩に聞くことや勉強することを積極的にできるようにしたいです」と、仕事への向き合い方を教えてくれた。