自分がなりたいと考える看護師像は、「じっくりと一人ひとりの患者さんに向き合える看護師」というものだったんです。看護学校の実習で精神科に行ったとき、看護師がそうした気持ちで寄り添って、「看護の力」で患者さんを良くしていくという点がダイレクトに感じられて、すごいな…と思いました。そして、卒業したあと精神科の単科病院に入職。6年間、精神科の急性期病棟で、統合失調症やうつ病などの患者さんを数多く担当してきました。最初は気持ちが不安定だった患者さんが、看護師の日々のケアで症状が落ち着いていくのを見るのはやりがいにつながりました。
看護師になるための基礎知識や技術はもちろん、臨床に出て、チームで働く上で大切なことを仲間と共に学びました。私のときは同学年が約120名と多く、社会人経験者など、高校からストレートで入った学生ばかりでないことから、いろんな経験談を聞かせてもらって勉強になることも多かったです。先生も生徒の性格までしっかり把握してくれていて、学校にいるととても安心感がありました。そして当校は病院の付属学校ではないため、進路も自由な選択肢があります。とくに私の場合は精神科を希望したので、専門病院にいきなり入職できたのは珍しいケースでした。自分がやりたい科に進んでいきやすいというのはメリットのひとつだと思います。
看護師というのは、いろいろな人に出会う中で、自分がすごく成長できる仕事だと感じます。自分が患者さんへ提供したものが結果として表れて、喜んでくれることもあるし、うまくいかなければ反省することも必要です。何よりも人のことが好きであれば、本当の意味で人の近くにいられる仕事なのでやりがいは大きいと思います。そして、私は今この学校の教員をしていますが、あらためて思うのは、看護師っていろんな働き場所がある、ということです。病院でも科によって働き方は違い、保育園や高齢者施設にも看護師がいて、在宅でも活躍しています。資格を手に事業を立ち上げた同級生もいます。自分の可能性を大いに広げていける仕事だと思いますよ。
湘南平塚看護専門学校/看護学科/2012年卒/湘南平塚看護専門学校を卒業後、厚木市の精神科病院・愛光病院に入職して6年間、臨床を経験した水垣さん。もともと実習生向けの臨床指導者をしたいと思っていたところ、「学生指導をやりたかったら、ぜひ当校で挑戦しては?」と母校から声をかけてもらって教員の道へ。晴れて2018年4月、専任教員として湘南平塚看護専門学校に赴任した。「看護師としての臨床経験を活かして、今学んでいることが将来どう現場で役立つのかを、学生のみんなに教えてあげたい」という思いで指導にあたる毎日。学生とも歳の近い親しみやすさで、日々の学習に寄り添っている。