「現場監督」という仕事が何をしているのか、あまり知らない方が多いと思います。工事の日程を決めたり、工程の進捗に差が出てきた時のマネジメントをしたり、次の工程に進む前に想定通りの工事ができているか確認するのが主な役割です。私も新人の現場監督として職人さんとコミュニケーションをとったり、図面をチェックして問題があれば上司に共有するなどの業務に従事しています。工事の内容は図面ですべて決まっているわけではなく、位置の細かい調整などは現場監督が行います。初めて入った現場でサッシ(ガラス窓の窓枠)の位置を決めた時、施工して形になった時には達成感と同時に次に活かす課題も生まれて、やりがいを実感しました。
ものづくりが好きで、建築やデザインの分野に興味があったので浅野工学専門学校に進学しました。現場監督をしていた友人とよく仕事や就職の話をしているうちに興味が湧き、インターンでは学校に紹介してもらって工事現場に行きました。インターン先で色々お世話をしてくれた社員の方が「現場ではこういうことが大変だった」「工事が完了した時には感動した」と話してくれる姿がすごく印象的でした。何も無いゼロのところから形のある建築物を造りおえた時の達成感や、自分が関わった建築物がいろいろな人に住んでもらったり利用してもらえる責任感を想像して、現場監督の仕事を志望するようになりました。
建築デザイン学科のカリキュラムでは、建築の歴史や設計の実技、現場監督の仕事の内容や工費の見積もりまで、建築に関係するいろいろな分野を2年間で幅広く学びます。設計は木造が中心ですが鉄筋コンクリートも扱うなど、一通りのことを経験するのが特徴です。ですから自分にとって興味のある建築の分野を見つけることができます。幅広く学んだ分、実際の仕事の場面で役立っていることも多く、例えば図面を修正するためにCAD(コンピュータ設計ソフト)を使う時も、学校で身につけていたおかげでスムーズでした。先生は親身になって教えてくれ、卒業制作でゼロから家を設計する時にいろいろ相談したことは楽しい思い出です。
株式会社小川組 勤務/建築デザイン科 卒/2021年卒/神奈川県出身。ものづくりが好きで建築の道を志しただけあり、休日には編み物で小物を作ったり、タブレット端末で絵を描いたりしているという。目指す現場監督の姿について、「初めて工事現場に入った時の先輩からいろいろなことを教わった中で、「○年目にこういうことができるようになるには、今なにをしたらいいか」としっかり計画を立てて教えてもらったことが印象的で、私もそうなりたいです。」と語ってくれた。