ワインの輸入販売を行っているカサ・ピノ・ジャパンでワインの品質保証の仕事をしています。工場で社内品質保証基準に基づきワインの安全性を確認する仕事です。港からトレーラーに積まれた150L以上の巨大なタンクに詰められたバルクワインを1本1本容器にボトリングして出荷します。その過程で検査を行い、アルコール濃度を測ったり、酸化防止剤の亜硫酸を添加したり、テイスティングなども行い、社内基準を満たした商品であるかをチェックします。日々の充填作業や検査内容が同じだからといって問題が発生しないとは限りません。気を抜かずに1日が終わって何も問題がなかった時には「今日も良かったな」と達成感を味わえる充実した毎日です。
ワインづくりを学ぶための進学先を探していた高校時代、大学と専門学校で進路を悩みました。自分の性格を考えると自己管理が必要な大学よりも、しっかりサポートしてくれる東京バイオの方が安心感がありましたし、大学にはない5種の醸造免許を取得していた事も決め手でした。クラス担任がいる少人数制でアットホームな面倒見の良さもありがたかったです。先生方との距離も近く、講師の先生方は私たちによっては気さくな方ばかりですが実は業界の有名人で、現場経験豊富なその道のプロフェッショナルばかり。そんな先生方から教わることができたのは今思うと恵まれた環境でした。
進学するにあたって「将来はこの仕事をする」という強い意志も大切。しかし場合によってはその仕事に就けないこともあるはずです。そんな時は自分の夢を見つめ直してみるのも良いかも知れません。私自身にとってワイン醸造の仕事が就職活動時の最高の目標だったのですが、よく掘り下げて考えてみると品質保証や接客などでワインに携わる職場で働ければ、現状の目標は十分に達成できることがわかりました。現在の職場はワインの輸入販売のみですが、面接時に将来的にワイン醸造も始めると伺っていました。工場では醸造免許も取得したのでいよいよ自社ワイン醸造も開始予定。念願だったワイン醸造を担当してみたいですね。
株式会社カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場 品質保証部/醸造発酵コース(現:お酒醸造・発酵食品コース)/2020年3月卒/小さい頃から料理や食事が好きなご家族に囲まれて育った熊谷さん。恵まれた食育環境のおかげで食べることが大好きな子供だったそう。ケーキやパンも自分で作るようになり、料理や食べ物について学びたいと東京都立農芸高校へ進学。実習で熊谷さんが興味を持ったのが発酵食品の世界。中でもお酒好きのお父様の影響もあってかワイン醸造に興味を持つ。東京バイオ在学中は講師陣の指導のもとワイン醸造に没頭。卒業後の現在もワイン醸造の夢、フランス・ブルゴーニュ地方での修行など彼女のワインへの情熱は止まらない。