私の仕事は事故に遭ったお客様の大切なお車を修理することです。事故前の形や色に近づけ、今後も大切に乗っていただけるよう、サポートできることがこの仕事の一番の魅力だと思います。ぶつかってへこんだりゆがんだりしたボディを元に戻すことや元通りの色に塗装することは簡単ではありません。私の担当である塗装ひとつとってもお客様のお車は保管状況などによって1台1台状態が異なるため、メーカーから出荷された時と全く同じ色で塗装しても修理した部分とそれ以外とでは色が違ってしまうのです。そういった違和感が出ないように塗装できるかどうかが腕の見せどころです。きれいに仕上がると自分の成長を感じられてうれしいです。
父が車好きで、小さい頃から私をよくレース観戦に連れて行ってくれました。そういった環境で育ったので車に興味を持ち、次第に車に関する仕事をしたいと考えるようになりました。また、事故に遭って本来の形とは違ってしまったものが元の形状に蘇るということにも興味がありました。それらに加えて、私は手に職をつけたいと考えていました。生涯に渡って働くことができるように手に職をつけたかったのです。また、板金塗装の仕事は経験を積めば積むほど確実な作業ができるようになり、仕上がりがきれいになります。成長すれば「この仕事はあなたにしか任せられない」というように周りからの評価が高まることにも魅力を感じました。
最初は自動車整備士を目指していました。そのため、入学当初は一級自動車工学科で学び、車の構造や工具の扱い方などを学んでいましたが、より専門性の高い職種に就きたいと考えるようになり、自動車整備・カーボディマスター科に編入しました。授業は実習が中心でした。フレーム修正や溶接、ボディ塗装はマニュアルに沿って行う一般整備とは違い、どれも特殊な技術と経験が必要です。そのため実習は車の外販を引っ張ったり叩いたりと、身体で技術を覚えることが中心で、まさしく「職人の技」と言えることばかりでした。それらの経験を通じて学んだことは現在の職場で行っていることと全く同一。真剣に実習をして良かったと考えています。
三河日産自動車株式会社/株式会社カーメイク岡崎勤務/自動車整備・カーボディマスター科 卒/2020年卒/高校卒業後に専門学校日産愛知自動車大学校に進学。一級自動車工学科で学ぶうちに板金塗装に興味を持つようになり、自動車整備・カーボディマスター科に編入。国家自動車車体整備士資格を取得する。卒業後、三河日産自動車株式会社の関連会社である「株式会社カーメイク岡崎」に入社して丸2年。一般整備を1年間経験した後、塗装課に配属される。「内製工場のため、お客様から直接感謝の言葉をいただくことはありませんが、セールスを担当する仲間から感謝されると、この仕事を選んで良かったと感じます」と語ってくれた。