AIは、今や私たちの生活に欠かせないものになり、社会もどんどん変化しつつあります。しかし、注目されているのはその技術の進化ばかりで、どのように活用すべきか?どう対応すべきか?といった研究がおろそかになっている気がします。表面的な使い方をマスタ-するのではなく、主体は自分にあり、そのサポートをするツールとして活用しないと、自分自身の生きがいや主体的に行動する喜びをAIに奪われかねません。そうならないためにも、まずはその「しくみ」を知った上で活用することが重要。そのためには、どのような教育が必要か、また情報教育にどのように利活用できるかが、私の研究テーマです。また、将来的にはAIの普及による社会変化や、それに伴う私たちへの影響力などについてもライフワークとして研究したいテーマです。
「AI・データサイエンス入門」は、講義で学んだ内容をプログラミング実習で理解を深めるという実践的な授業。例えば人間が描く絵とコンピュータが描く絵とではどう異なるのかをアートプログラミングで体得します。またお菓子を判別するAIを作り、「なぜコンピュータが間違ったのか」を考えることで、人間とコンピュータの得手不得手を学ぶなかで賢くAIを活用できる人材を育成します。問題解決時は仮説を立て、それが正しいかどうかをデータで立証するデータサイエンスの「仮説思考」は、社会人生活においても必ず役立つスキルです。
AI時代の今、ともすればAIの判断に流されてしまい自分を見失ってしまう危険もあります。ぜひ「情報」を学び、データやAIを賢く活用することで自分の判断に自信を持ち、自分の可能性を切り拓きましょう!
奈良女子大学理学部生物学科卒業後、(株)沖ソフトウエア関西京都研究所、沖電気工業(株)にて機械翻訳などの自然言語処理の研究開発やシステム開発プロジェクトマネージャー業務に従事。在職時に奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科にて工学博士を取得。その後、ウルフラムリサーチ社のWolfram|Alphaの日本語処理を担当。2022年より京都ノートルダム女子大学非常勤講師。2023年より現職。