「動物と話がしたい」という思いから、動物の心に関心を持ちました。現在はイヌやウマを対象に研究中です。ヒトがイヌやウマに対してどう思っているかに加えて、イヌやウマがヒトに対してどのように感じているのかについても調べています。研究では、例えば、パソコンとモニターを使用し、ヒトの顔写真を映しながら、その顔写真を見ているイヌやウマの行動や心拍などの生理指標を測定する実験的アプローチを用いています。加えて、ヒトとイヌやウマとの自然なコミュニケーションをカメラで撮影し、その分析を行っています。小型心拍計やカメラの高性能化、AI技術の進歩を活用し、動物の心に関する疑問を解明できたらと考えています。また、動物の心を明らかにすることで、動物のウェルビーイングの向上にも繋げていきたいと思っています。
授業では「動物心理学」を担当する大北先生。ゼミでは、学生自らが研究テーマを決めています。「動物に関する研究が多く、対象はイヌやウマをはじめ、ネコ、インコまで多種多様です。ネコの研究では、学生がネコを飼育している家庭を訪れ、ネコがヒトの指示を理解できるかを明らかにしました(実はできるんです!)。また、ゼミ生全員で動物園を訪問し、観察研究を行うことも。IT機器やAIを用いた研究からは情報収集から分析を含めたデータサイエンスの基本スキルが、研究結果の発表を通してプレゼン能力を身に付けることができます」。
心理学のテーマは、日常生活のあちこちに転がっています。高校生活においても、いろんなことに興味を持って、ワクワクしながら過ごしてほしいです! 特に動物の心理に関心がある人、ぜひ一緒に研究しましょう!
千葉大学文学部行動科学科を卒業。千葉大学大人文社会学研究科総合文化研究修了、同大融合科学研究科情報科学修了。日本学術振興会特別研究員、麻布大学獣医学部共同研究員、専修大学人間科学部ポストドクター、日本学術振興会特別研究員(PD)を経て現在に至る。日本認知科学会論文賞を受賞(共著)。論文題目は「ヒト-ウマインタラクションにおける『人馬一体』感とは何か?」(『認知科学』2018年25巻4号掲載)。