どんな食べ物を摂取するとお肌によいのでしょうか。私は食品成分が身体に及ぼす影響を美容や健康、睡眠や精神状態など、様々な観点から科学的根拠に基づいて研究を行っています。たとえば、甘酒の成分を調べ、摂取後の肌状態を機器で測定したり、睡眠時の脳波を測り安眠に効果がある食品を検証したり、研究室では学生の興味・関心に応じて様々なテーマから研究を進めています。その中には企業と連携して行っているものも多く、研究成果をもとに商品開発にも取り組んでいます。株式会社ポーラと共同開発した冷凍宅配惣菜「BIDISH」はそのひとつ。科学的な検証だけでなく、学生たちは女性の視点を活かし、企画からパッケージ制作までの一連の商品開発に参加。栄養バランスを考慮し、内面から美容にアプローチできる新たな冷凍食品をつくりました。
「BIDISH」の共同開発では企業担当者からマーケティングや特許について学ぶなど、学生たちは研究の枠を越えた経験を積むことができると話す高岡先生。研究を通して社会に貢献できる喜びとともに、将来のキャリアに役立つ幅広い能力を身につけることができます。企業連携だけではなく、芦屋市と連携した食教育プログラムも実施。保育園を訪問し、紫色の紅茶「バタフライピー」にレモン水などを加える実験に子どもたちと一緒に取り組み、化学反応による色の変化から成分の仕組みを解説。科学のおもしろさを発信する力も養っています。
私たちの研究の出発点は、美容、健康などの身近な悩みや気になることです。それを企業や地域と連携しながら科学的に探究していく経験を通して、社会に貢献できる喜びをぜひ感じてください。
学士(農学)、修士(農学)、博士(学術)
神戸大学自然科学研究科博士後期課程修了、鎌倉女子大学准教授を経て現職に至る。