なぜ国連は、ロシアによるウクライナ侵攻を止められないのでしょうか?なぜ国連は、イスラエルのガザ攻撃で一般の市民が被害にあっているのを止められないのでしょうか?なぜ国連があるのに世界は平和に向かわないのでしょうか?私たちの生きる現代は、平和と安全に対するたくさんの問題があり、世界中で多くの人たちが問題を解決しなければいけないと考えています。それでもなぜ問題を解決することができないのか、ということを、国連という国家の集合体の役割をとおして研究しています。
国々の行動の背景には、市民社会があります。国連の活動は、政治家や外交官だけに任されているわけではありません。私たち一人一人は、国連をとおしていったい何ができるのでしょうか。そんなことを学生の皆さんと一緒に考えています。
世界での様々な問題を取りあげて、国際政治、国際法、グローバル・ガバナンスなどの異なる角度から問題にせまります。たとえば、なぜ核兵器の開発を続ける国があるのか?という問題に対して、異なる国の立場に立って検討します。日本人の立場からだけではなく、異なる立場に立って理解を深めることで見えてくることがあります。また、日本の大学生という同じ立場でも違う意見があるだろうか?と考えるために、神奈川県という被爆地から離れた場所にある学生と、核兵器の問題を学んでいる被爆地の学生と合同ゼミを行い、議論しました。
やりたいことを口に出したり、友人や家族にも話して、夢を実現していってください。皆さんが、自分の将来像を具体化していく過程に、東洋英和女学院大学での授業をとおしてサポートできるのを楽しみにしています。
津田塾大学(国際関係学)卒業、英国サセックス大学(国際関係学)修士、国際基督教大学(学術)博士。
中学・高校・大学と女子校育ち。訪問した国の数は50か国以上。市役所、外務省、防衛省で勤務した後、国連で大量破壊兵器の不拡散に取り組んできました。地方自治体、国家、国際機関とそれぞれの立場で仕事をした経験を経て、2023年4月から東洋英和女学院大学国際社会学部で教えています。