18年ほど客室乗務員をしておりました。毎回働く仲間が変わるなか、チームワークを発揮するには自分がどういう人間であるかを伝える必要があります。どんな仕事ができるとか、この路線は初めてだとか自分から発信していくと同時に相手のことも知る作業が発生します。サービス業である一方、お客様の安全を守る保安要員でもあるので、様々な状況を把握し共有する術や対応力が自然と身につきました。このようなコミュニケーション力は客室乗務員に限らず、すべての仕事に大切な能力だと体感し、学生たちに伝えていきたいという思いを持って授業に臨んでいます。コミュニケーションが希薄になっている現代こそ、言葉の使い方や表現方法、表情、身だしなみなど、言動面と行動面で社会に出るための準備をしっかりと身につけてもらいたいと考えています。
学生の気持ちに寄り添うことを心掛けているという山口先生。一番最初の授業では「ヒトは見た目で判断する」という内容から入り、何かを伝えたければその場にふさわしい身だしなみや立ち居振る舞いが大事と主張。自分の管理がしっかりできていれば、ほかの人の管理や仕事の管理などへの信頼性につながり、良いチームワークも築けると教えてくれる。特に自身の経験談や失敗談は学生に届きやすいので、授業の中に取り入れることが多いとか。起こりうるシーンを想定し実践してみたり、意見を出し合ったりと動きのある授業が特徴。
考えていることや意見を発信するなど、自分を知ってもらう努力を高校生のころから意識しておくと良いですね。学校見学に行った際に、疑問があればきちんと質問して解決してください。一緒に学んでいきましょう。
1995年、全日本空輸株式会社に入社。国際線客室乗務員として18年勤務し、滞空時間は10320時間45分というキャリアを生かし、就職活動の支援やビジネスマナーの指導に従事している。日本語教育能力試験合格。日本語に関わる幅広い知識による文章表現、コミュニケーション力、会話力向上の指導に定評がある。プライベートで好きなことは料理。野菜ソムリエの資格をもち、野菜などの直売所巡りが大好きという一面もある。