理学療法士といえば、整形外科で骨や筋肉などの運動器へのリハビリに携わる姿が一般的。でもそれは一分野にしか過ぎません。例えば神経系や呼吸器系などの内部障害に対するリハビリ、産前産後の女性や小児を対象にした理学療法、大学や養成校などでの教育研究など、これからの学生の活動の場は多岐にわたります。私は現在、高血圧や生活習慣病など循環器系の障害を改善するための新たな運動プログラムの構築に向けた研究を進めています。併せて女性の理学療法士の活躍を推進する取り組みも実施。結婚や出産などのライフイベントの影響で仕事から離れる期間ができやすいという現状を見越し、20代の間に学歴や実績を積み、将来の自己投資を意識的に行うことが大事。性別に関係なく、とにかく積極的に何でもやってみることを勧めています。
先生が担当する「運動器系生理学」は、運動による身体の生理的な応答や背景にある筋・神経などの関わりについて学ぶ基礎科目。高校生物の内容を含む「生理学」では、高校での学びを復習しながら理解を深められるよう工夫している。ゼミで学生と一緒に取り組んでいるのは長時間座位行動についての研究。座っている時間が長い日本人の心臓病や脳血管障害を予防し、健康を支えるためにはどうしたらいいか。この課題に対し、学生たちは自発的にアイデアを出し合い実験・検証を行うアクティブラーニングのスタイルで学びを深めていく。
疑問を持つことはとても大切。疑問を持つことで課題が見つかり、課題に向き合うことでその先に行ける。わからないことは気軽に質問してください。疑問を解消したい、学びを深めたい、その思いを全力で応援します。
専門分野:運動器系生理学、内部障害理学療法
理学療法士としての病院勤務と大学院での研究活動を両立。主に血管や循環の分野での研究論文を執筆し、2020年3月徳島大学大学院総合科学教育部博士後期課程修了。同年4月大阪行岡医療大学医療学部理学療法学科に入職、現在に至る。「高校時代はバレーボールに熱中。トレーニング指導やコンディショニングを見てもらっていた理学療法士さんとの出会いが興味を持つきっかけになりました」