人の体は食べた物でできているので、食事を変えると体質も変わります。例えば「アトピー性皮膚炎」。一般的にステロイドが治療に使われてきましたが、栄養学の観点から治療を見直し、アトピー発症に関わる脂肪酸「オメガ6」を含まない食事に変えることで、症状を軽減させた事例があります。また、ダイエットの面でも栄養学は重要です。妊娠中、ダイエットなどで母体の栄養が不足すると、生まれた子どもは節約遺伝子が働き、肥満化しやすいという報告があります。これは受胎から1000日間をどう過ごすかが将来の健康に影響するという「DOHaD理論」の一例で、現在取り組んでいる研究テーマの1つです。誤ったダイエットが将来に影響を及ぼすことがないよう、人生をよりよくコントロールするための正しい知識を伝えていきたいと思っています。
「栄養学」では最新の知見に基づき、予防医学・アンチエイジング・ダイエット・インナービューティーについて学んでいきます。また「商品企画論」では、なぜこの商品(サプリメントなど)を作るべきなのかという社会的な課題を考えるところからスタート。統計や論文を読み込んで処方を決め、どの製造業者に依頼するかを考え、販売のプロモーションを立案するまでをシミュレーションしていきます。「将来的には原料メーカーの研究者を招いてプレゼンテーションしてもらうなど、就職後につながる授業をしていきたい」と押田先生は話します。
学生自身の健康のためになる知識と、この分野のプロになるための最新の栄養学を伝えたいと考えています。大学から社会へ、シームレス(枠を超えて)に活躍できる人材を育てていくので、楽しみにしていてください!
専門科目/栄養学
略歴/森永乳業栄養学研究所で乳児用粉ミルクの研究に携わる。小児栄養学のエキスパートとして、順天堂大学の医局に入り、順天堂大学医学部附属病院でアトピー性皮膚炎の患者に対する食事療法なども行う。その後、BASF Japan(株)、日本アムウェイ、大幸薬品(株)などを経て現職。