自主的に行動できる
“主人公意識”を持った
臨床工学技士へ。
医療保健学部 臨床工学科
笠井 亮佑 講師
兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科博士後期課程修了。横浜市立大学附属市民総合医療センター、徳島県立中央病院での勤務を経て現職。専門分野は「臨床工学」「医用生体工学」「感性工学」。
VRを使って仮想空間の中で
痛みを和らげる?
私の研究ではVR(バーチャルリアリティ)という360度の映像を用いて仮想空間に入り込む技術を使います。その内のひとつが、VRを使って痛みを緩和する取り組みです。私が臨床工学技士として病院に勤めていたとき、業務の一つに穿刺(せんし)という注射針を刺す業務がありました。血液を体外に取り出し、それをきれいにして体内に返す血液透析を受ける患者さんに対する穿刺です。その透析の針は、想像以上に太く、採血や予防接種等でよく用いられる針の約2倍の太さになります。透析患者は、週3回、1回4時間の透析を実施することが一般的で、それが一生続くのです。そのようなストレスを軽減することにVRを使えないかと考えたのがきっかけでした。薬の処方ではなく、VRのコンテンツを処方するような時代が、いずれ医療分野でも来るかもしれません。そんな時代を見越して基盤構築に貢献できたらうれしいです。
人工心肺装置をVRで
シミュレーションする。
私のもう一つの研究に人工心肺装置のVRシミュレータの共同研究があります。人工心肺装置は1台数千万円もする高価なもの。それを学生の人数分用意することは現実的ではありません。そこでVRを使ったシミュレータをつくり、すべての学生が利用できるようにと研究を進めてきました。現実で起こるようなトラブルや絶対にあってはいけないミスを仮想空間内で体験できるので、そのときの緊張感や焦り、その中で判断するといったことを体験できる点は、非常に大きなメリットです。これからの目標としては、“ハプティクス(触覚提示技術)”という技術を用いて手触りまでカバーできるようにしたいと思っています。東京工科大学には工学や情報関連の学部学科やデザインの学部もあるので、臨床工学科でありながらVRやAR(拡張現実)、AI(人工知能)もいち早く取り入れられます。ここで学ぶことで「命のエンジニア」へと確実に近づいていけるでしょう。
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