日本社会は経済成長と共に変動しており、家族や子育て環境も大きく変化しています。核家族や共働き世帯が増加する中、母親の育児負担感や不安感も増加しているといわれています。「臨床心理学」は心理学の基礎知見を活かし、悩みを持つ人々を理解し支援するための学問です。私は保育や教育の現場で臨床心理学の観点から、子どもの成長をサポートする親子関係、また父親と母親としての役割をどう行ったらよいかという夫婦関係に関する研究を行っています。最近では保育者を目指している学生に子どもの家庭支援に役立てる効果的な教育相談の方法について「コミュニケーション能力」を高める観点から効果的な教育プログラムの開発に取り組み始めています。心理に関する知識やカウンセリング能力は、保育・教育の現場で仕事をする上で大変役立つと思います。
学生の主体性を尊重し関心のあるテーマを見つけるまでのプロセスを大事にしています。卒業論文は「先行研究の検討、研究テーマの選定、研究計画の策定、研究の実施、論文の執筆」という完成までの過程で、ゼミの仲間と積極的な意見交換を通じて進めることを重視。3年生は先行研究の調査・発表で新しい視点やアプローチを取り入れ、心理学研究に関する理解を深め、4年生では研究テーマを選定し、仲間と協力して調査データの収集、分析、執筆を行います。また学生が住む地域の課題にも目を向けられるよう、被災地研修なども行っています。
これからの保育教育の現場は多彩な問題へ臨機応変に対応できる人材が求められます。臨床心理学の観点から人とのコミュニケーション能力を高める方法を身に付けていきましょう。本学は4年制ならではの成長があります
専門:臨床心理学、家族心理学、教育相談
2017年3月、東北大学大学院 教育学研究科 博士課程後期修了、2017年4月~2018年3月まで宮城学院女子大学学生相談室勤務、2018年4月~2021年3月まで作新学院大学人間文化学部准教授、2021年4月より宮城学院女子大学 教育学部准教授として就任し現在に至る。