
文化人類学の視点からバングラデシュでフィールドワークを行い、特に子どもたちの暮らしや社会状況を研究しています。研究成果は論文や書籍だけでなくドキュメンタリー映像の制作を通しても発信してきました。そうした活動の一環として、バングラデシュ映画「メイド・イン・バングラデシュ」の日本語字幕翻訳に学生たちと取り組みました。既存の英語字幕を学生が日本語に翻訳し、私がベンガル語の原文と照らし合わせて確認する形で完成させました。本作は、大手アパレルブランドの工場が集まるバングラデシュを舞台に、厳しい労働環境に置かれた女性が労働組合の結成に立ち上がる姿を描いた作品。学生たちは翻訳の実践を通して、バングラデシュの現状や自分たちの生活とのつながりを実感する機会にもなり、国際的な社会問題への学びを深めています。

「メイド・イン・バングラデシュ」上映後、ルバイヤット・ホセイン監督とのオンライントークセッション
このフィールド・スタディでは、「衣」をテーマにアパレル産業の現場で、また「食と農」をテーマに農村で行いました。現地の人々と直接コミュニケーションを取りながら農業の実態や繊維工場で働く人々の姿などに触れます。自分たちが日常的に着ている服がどのような環境で作られているのかなど、日本では気づかなかった問題意識や感情が生まれ、心を動かされる学生も少なくありません。こうした世界とのつながりを実感する経験を通して、自分なりの社会貢献のかたちを見つけてほしいと南出先生は話します。

農村フィールドワークの様子
今の自分としっかり向き合い、自分の関心を追求してみることが、新たな世界や目標との出会いに導いてくれます。「これをやってどうなる?」と考えるのではなく、まずは行動してみてください。

「大事なことは、グローバルな課題を『自分の事』にできるかどうか」
学士(文学), 修士(人間科学), 博士(文学)
現在の研究の原点は、神戸女学院大学在学中に参加したスタディツアー。「もともと国際協力に関心があり、3年生の夏にNGOのスタディツアーで初めてバングラデシュに行きました。目を輝かせて学校に通う子どもたちに魅了され、バングラデシュの農村で長期フィールドワークがしたくて大学院では文化人類学を専攻しました」と話す。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



