
公共建築や住宅設計に取り組む一方で、歴史的建築物の改修や保全活動に長年携わってきました。
特に大切にしているのは、「建物に積み重なった思いや文化を、次の時代へどう継承していくか」という視点です。古い建物には、その場所で暮らしてきた人々の歴史や地域文化、営みの記憶が残っています。建物を単に修復するのではなく、所有者への丁寧なヒアリングを通して、建物に込められた思いや歴史を読み取り、現代の暮らしとのバランスを考えながら改修を行っています。
また、建築ツアーやガイド活動、大学教育などを通して、歴史的建築物の価値を社会へ伝える活動にも力を入れています。建物を維持していくには、人々の関心や愛着が欠かせません。設計と発信の両面から、建築文化を未来へつなげていきたいと考えています。

「六甲山名建築探訪ツアーの様子。多くの方にご参加いただき、歴史的建築物への関心の高まりを感じます」
長尾先生が担当する「環境デザイン演習」では、建築をつくることは「新しい環境と価値をデザインすること」だととらえて、周辺環境も含めて建築や空間を考える視点を養います。たとえば、「本を読みたくなる空間」をテーマとした課題では、実際に「自分が本を読みたくなる環境」を探し、「なぜ自分はそこで本を読みたくなったのか」を考え、形にします。長尾先生は「大学は今すぐ役立つことだけを学ぶ場所ではなく、もっと遠い視点で物事を考える場所」と話し、学生一人ひとりの個性や可能性を尊重しながら指導を行っています。

「自分なりの視点で空間を読み解き、新たな価値を提案するための力を養ってほしいです」
神戸女学院大学は、歴史あるさまざまな建物や豊かな自然、阪神間の文化が積み重なる特別な環境です。ここで4年間を過ごすこと自体が、大きな学びになるはずです。ぜひ実際に訪れ、その空気を体感してみてください。

「本学は歴史・文化・自然の宝庫。多様な学びに触れることで、きっと自分の生きたい道が見つかるはずです」
学士(工学)、 修士(工学)
神戸女学院大学 生命環境学部 特任講師。建築設計事務所 いるか設計集団 代表取締役所長。一級建築士。
一般住宅や教育施設などの公共施設の設計、歴史的建築物の改修・保全のほか、文化財登録に向けた調査・行政との調整支援なども行う。
神戸女学院大学では、「環境デザイン演習」「建築材料」「景観まちづくり論」などを担当。建築と環境・地域文化との関係性を考える視点を育む教育を重視している。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



