「自動運転」の開発が活発ですが、もしその車の乗り心地が悪かったら…誰も乗りたいとは思いませんよね。ここでは自動車に乗った人の感性・心と自動車に関する物理法則を研究し、乗り心地よく、運転する楽しみも感じられる車の創造をめざしています。既にこの研究室で開発したG-ベクタリング制御は、ある大手自動車メーカーのほぼ全ての車両に採用されています。これはカーブを曲がる際にハンドル操作に応じて前後加減速を自動制御し、スムーズで安定したコーナリングを実現するもの。さらなる研究開発を企業の開発チームと連携して行っています。学生にはテスト走行車で周辺の公道をテスト走行したデータやドライビングシミュレーターから検出されるデータを検証してもらうな ど、企業の開発チームと同様の研究に携わってもらっています。
機械工学科自動車システム工学コースは、未来へ向けどんな自動車を生み出すか―自動車の開発を学ぶコースだ。このコースの醍醐味は、3年生で行う自動車開発のプロセスを実践する授業。グループごとにゼミの専門分野を用いた自動車をゼロから作っていく。未来の自動車の製品開発に必要な、企画・設計・性能予測・制作・理論・実験解析・評価などのプロセスを実践さながらに学ぶことができる。最後は学内で完成した車両を走らせる「走行会」を開催!山門教授のゼミでは「運転しやすく乗り心地の良い車両」をテーマに設計開発を行っている。
あなたは未来に向け、どんな自動車を作りたいですか?機械設計などに目がいきがちですが、今は自動運転やセキュリティなど情報やシステム系も重視されています。情報やシステムに興味のある人も楽しく学べますよ。
神奈川工科大学大学院博士後期課程修了。大学卒業後、株式会社日立製作所にて車両技術開発に従事。同社に在籍しながら同大学院 安部正人名誉教授の下で車両制御の研究に打ち込み、2008年博士論文で発表した、運転が上手いドライバーの運転操作を数値化し、コンピュータで真似ることで運転が苦手な人でも上手に走ることができる新技術『G-ベクタリングコントロール技術』は、大手自動車メーカーの車両に幅広く採用されている。