
この実習では地域で暮らす人々の「生活」に入り込み、看護がどのように生活を支え、地域のつながりをつくるのかを学びます。高齢者の支援だけでなく、子育て世代や障がいのある方など、多様な人々の暮らしから、地域共生社会の実現に向けた課題を考える力を育みます。卒業後、急性期病院に就職しても、退院支援や家族支援の場面で「地域を知っていること」が大きな強みになります。看護職が、患者さんが退院後にどのように暮らすかを想像し、社会資源や多職種と連携して支える視点は、どの分野の看護にも活かせます。
実習は病院の他、地域で人々の生活を支える現場を訪れます。(高齢者が通うデイサービス、在宅生活を支える小規模多機能型居宅介護やケアプランセンター、誰でも気軽に相談できる暮らしの保健室、そして病院と地域をつなぐ地域連携室等)

学内実習施設。同学科では学内にて基礎から実践まで対象別に看護技術を学び、実践力を身につける
実習では高齢者の退院後の生活を「24時間・1週間」という軸で想像します。その後、実際に地域に出て多職種・地域住民と関わりながら支援の仕組みを学びます。この実習の魅力は、地域のすべてを教材にして制度や実際の専門職種の働きを経験し、現場で感じ、気づき、考える探究型の実習である点です。また、教員は答えを教える人ではなく学生自身の気づきを引き出します。「この地域で安心して暮らすためには何が必要?」「あったらいいなと思うサービスは?」などの問いを学生自身が作り、地域にて答えを探し、思考を深めていきます。

フィールドワークを行う前に事前学習を実施。その中で学生自身が問いを立て、準備を行い、それぞれの地域へ
まずは、 人口構成や健康指標、交通体系などの地区データから地域の特徴を整理し、その視点からフィールドワークに臨みます。現地を観察し、地区が抱える課題や必要な支援を考えます。
そして実際にデイサービスや居宅介護支援事業所などで実習を行い、多職種と同じ活動を経験しながら、地域における支援の実際を学びます。
最終日には、見て・聞いて・感じ取った情報や学びをもとに地域資源マップを作成し、地域の強みや課題を可視化して共有。制度を知識として学ぶだけでなく、現場体験を通して、看護職として地域を捉える力を養います。

学生がチームごとに作成する「地域資源マップ」。担当地域の社会資源や課題をまとめ、最終発表で使用
「困っている人を見たら、どうしたらよいか考えたくなる」そんな方は、地域課題の発見と解決に面白さを感じられると思います。また、多くの人と接する授業ですから、人の生活に興味がある人ほど学びが深まります。

吉原 悦子先生。地域包括ケアをはじめ認知症ケア、聞き書き、認知症マフなどの研究・取り組みにも携わる
【授業概要】3年次必修科目。実習では社会福祉士、介護支援専門員、介護福祉士、時には地域の民生委員さんや地域住民の方々、デイサービスの運転手さん、障害を持ちながらも就労している方々との関わりを通じて地域包括ケアシステムの連携を学習【講師紹介】認知症ケアなどの研究も進める吉原先生。介護ケアの現場で活用が進む認知症マフ(イギリス発祥の毛糸などで作られた筒状の温かい手袋/マフ)の普及活動にも携わっている。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



