
「集中力がない」「本番であがってしまう」といったスポーツの悩みに対し、根性論ではなく学問的な「理論」でアプローチするのが私の講義スタイルです。具体的な問題解決の前に、その背景にある心の仕組みを体系的に学ぶことを重視しています。例えば「人望のあるリーダー像」ひとつとっても、対象がプロか少年野球かといった状況次第で正解は異なります。個々の問題の「正体」を科学の視点で見極めることで、初めてメンタルトレーニングは有効に機能するのです。「1+1=2」のような決まった正解がないのが心理学の面白さ。自分なりの問いを立てて検証するプロセスを通じ、競技力の向上だけでなく社会に出てからも役立つ「論理的思考力」を身につけることを目指しています。

理論で心を学び、本番でも力を発揮するための講義を展開しています。
1学年、約200名が受講する大人数の講義ですが、そこには常に「驚き」があります。先生は、目に見えない心理学の理論を直感的に理解してもらうため、100円ショップの身近なアイテムを使った実験の実演を取り入れています。
例えば、風船を破裂寸前まで膨らませて意図的に「緊張状態」を作り出し、心拍数の変化を測定。あるいは、メガホンを使って注意を向ける先を限定させ、集中力のメカニズムを検証します。身近な道具で心の動きをライブで再現することで、難解な理論も自分事としてスッと腑に落ちる。そんな発見に満ちた講義です。

授業の最後には学生からの質問を受け付け、次の授業の際に振り返りを行います。
「学問」とは、文字通り「問いかける」能力を磨くことです。これまでは解答を求められることが多かったかもしれませんが、大学では自分自身が夢中になれる「問題」を作ることに挑戦し、学びを充実させてください。
仙台大学体育学部スポーツ情報マスメディア学科教授。上越教育大学大学院修士課程修了後、中京大学大学院で学ぶ。専門はスポーツ心理学。各地で若手アスリートを育成する「タレント発掘事業」の講師も務める。趣味は絵を描くこと。年賀状を自作したり、授業でもスラスラと板書に絵を描き加えたりと、観察眼を活かした分かりやすい解説が学生から支持されている。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



