
対話から生まれる物語や映像メディア実践を通して、社会の新しいつながりを模索しています。
私は子どもの頃から映画が好きで、人々の人生の物語を繊細に描写する映画に、社会のあり方を教えられました。大学では社会学とメディア論を専攻しつつ、映画学校にも通い、のちに日本を代表する監督になるような若手映像作家たちと切磋琢磨しました。
その後、マスコミ業界での経験を経て、行く末に迷った時に歩いたのが四国遍路でした。そこでは、偶然の出会いから立ち上がる自由な関係性のもと、巡礼者や地元住民が人生を語り合い、互いの物語を交差させながら、記憶を共有していました。
移動する人々と地域社会の相互変容をテーマに、「記憶の媒体」としての語りや映像などのメディアが、共同体以後の新しい関係をいかに生み出しているかを探究しています。

他者との出会いが、思いもかけない物語を生み出す。それは映像編集でのカットとカットの出会いに似ています
生活史を基軸に現代社会を考える社会学講義のほか、画コンテ・撮影・編集を学ぶフィクション映画制作、他者の語りからイメージを共創するドキュメンタリー制作、自分史を題材にした記憶のマルチメディア表現などを授業で展開する後藤先生。ゼミでは商店街や自治会、鉄道会社や不動産会社からプロ野球チームまで、さまざまな組織との連携プロジェクトを実施。「自己表現よりも『媒体』としての役割を学ぶことが大事」と語るとおり、ゼミ生は地域に足を運んで対話を重ねた上で、社会に発信されるPR動画やドラマを制作している。

「現場は大学の中にはない、大学の外にある」として、学生たちには現地での活動を推奨している
ある人の記憶が分かち合われる時、私達は未来の社会を共に創っているのです。対話、物語、演技、撮影、上映はすべて、そのためにあります。誰かの媒体になる事が最高のクリエイションにつながる、至福の体験をぜひ。

失われゆく地域の記憶、死者の記憶を次世代が受け継ぐことが、これからの日本社会を豊かにすると語る
専門分野:社会学、生活史研究、映像制作
慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。映画美学校フィクション・コース修了。
ドキュメンタリー番組制作会社勤務、新聞社勤務を経て、慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程に進学。
博士課程修了後、国立民族学博物館で映像人類学を研究したのち、2019年より千葉商科大学専任講師。2022年より同大学准教授。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



