地球史46億年の「生命の環境と進化」の研究に取り組んでいます。世界各地、主に辺境での野外調査や研究航海で採取した試料を対象に、実験室で様々な化学分析を行って、地球システム進化の解明を目指しています。分野で言えば、「地球化学」と「アストロバイオロジー」。合わせると「宇宙生物地球化学」で、何でもありの分野融合&学際型の「知の総合格闘技」のような魅力溢れる学問です。「地球化学」では、地球のあらゆる天然物質を対象に、元素や化学種や同位体組成の測定から、化学変化を支配する原理を見出し環境を推定します。恐竜大絶滅をもたらした白亜紀末の天体衝突に関連する研究や、深部地下生命圏に関する研究も行っており、宇宙での生命の起源・進化・分布・未来を探る「アストロバイオロジー(宇宙生物学)」にもつながっていきます。
山口先生の「地球化学教室」では、微量元素の無機地球化学と軽元素および遷移金属の安定同位体の生物地球化学を展開。研究活動では、先生が米国で受けた教育を活かし、学生が研究背景の徹底した文献調査を行い、問題点を把握し、仮説を構築し、様々な観点から検証できるようサポートしてます。野外調査や研究航海、国際共同研究の機会も豊富で、これまでに学生達はオーストラリア・イタリア・ガーナ他で調査を実施。ユカタン半島沖での科学掘削や、南大洋の南極近傍の国際研究航海に参加しました。研究の舞台は世界に開かれています。
大学4年間は、勉強でも遊びでも様々な事に挑戦して下さい。専門外の勉強も重要です。私自身も専門を物理→地学→化学&微生物学と変え、様々な事に挑戦してきました。迷った時は、より困難な道を選ぶと良いです。
東京大学工学部物理工学科卒業、同大学院理学系研究科地質学専攻修士課程修了、米ペンシルヴェニア州立大学大学院Rresearch Assistant、Ph.D.取得。ウィスコンシン大学マディソン校Research Associate、海洋研究開発機構研究員、2009年より現職。早稲田大学国際教養学部では、非常勤講師として英語での講義2科目を担当。米国留学で学んだ研究への姿勢や得た多くの人脈は、研究者・教育者としての財産となっている。