「蛍光タンパク質」は、クラゲやサンゴが持つ「光るタンパク質」です。蛍光タンパク質を利用することで、細胞や組織の中にあるタンパク質の位置・動きを観察することができるようになり、生物の体の中で何が起こっているのか分かるようになりました。蛍光タンパク質を使えば、生物のDNAや病気の原因など様々なことが調べられるため、生命科学分野の研究にとって欠かせないものとなっています。しかし、光る理由はあまりよく分かっていません。私たちは、超短パルスレーザーを用いた「分光」という新しい実験手法を用いて、光る理由を解明する研究に取り組んでいます。新しい実験手法と蛍光タンパク質を組み合わせることで生命現象をとらえる、新しい学問分野の研究です。
細井先生が学生のために重視していることは二つ。一つ目は「頭で理解する前にまず体を動かす=実験する」こと。卒業研究で得られる実験結果は、学生自身が出した世界で初めてのデータ。学生たちは自分のデータを説明するために、実験結果の意味や価値を考えられるようになっていくという。二つ目は「自分で動く」こと。卒業研究は、自ら動いてまずは実験し新しい現象を発見、その結果について考え発表を行う。細井先生は「社会に出たら自分で動くことが必要。卒業研究を、学生が自ら動くための練習の場としてほしい」と言う。
大学では、興味がある分野に絞って学ぶことができます。ですが、それは大学に入るまでに興味がある分野を決めるということです。ぜひ好きなことを見つけて大学に進学し、希望の勉強ができるように。応援しています。
1993年日本女子大学家政学部家政理学科I部化学系卒業、1998年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程修了、博士(理学)取得。1999年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科助手、2002年理化学研究所博士研究員、2008年東邦大学理学部生物分子科学科講師、2015年より現職。