対人関係のスキルである「ソーシャルスキル」に関する研究を取り組んでいます。ソーシャルスキルと学校・職場における適応状態や精神的健康との関連について主に調査研究を行っています。また、ソーシャルスキルの中でも自己表現のスキルであるアサーティブネスに焦点を当て、アサーティブネスを身につけて、日常生活の中で周囲の人に自分の意見や感情をうまく伝えられるようになるためのトレーニングの開発も行っています。ソーシャルスキルに限らず、社会心理学はデータに基づく実証性が重視される分野です。学校で周りの人との関係を良好に保てるか、満足のいく対人関係を構築できるかといった「気持ちの問題」を数値で捉え、客観的に論じようとします。実証的に得られた知見が日常の具体的な対人場面でどのように役立つのかが見えやすい分野です。
「対人コミュニケーション演習」ではアサーティブネス・スキルを身につけます。アサーティブネスに関する講義とグループワークによって、自他双方が納得できるコミュニケーションを実現するために、何を意識して行動すればいいのかを考えます。例えば、「友だちに頼まれたことを断りたい場面」や「授業のグループ発表で他の人が作ってきた資料に間違いを見つけた場面」を想定して、自分ならどのように行動するか、ロールプレイで実践してみます。多様性が重視される社会においてアサーティブネスは有用な概念だと思われます。
疑問を大切にしてほしいです。些細な疑問に見えることでも、社会の多くの人に共通する普遍的な課題につながっていることがあります。自分自身の可能性を縛らず、様々な経験をしながら考えを深めていってください。
2009年3月筑波大学大学院人間総合科学研究科心理学専攻修了 博士(心理学)
2009年4月~2010年3月筑波大学博士特別研究員
2010年4月~2012年3月日本学術振興会特別研究員PD(東京学芸大学)
2012年4月~2015年3月東洋英和女学院大学人間科学部講師
2015年4月~2023年3月東洋英和女学院大学人間科学部准教授
2023年4月東洋英和女学院大学人間科学部教授(現在に至る)