現在、映像の企画制作会社に勤務しています。クライアントである大手家電会社の商品を世界中にPRするため、広告などの制作に携わっています。クライアントの市場は、グローバル。世界各地の文化に合わせて表現を考える過程は、とても複雑で難しいのですが、だからこそ面白みを感じています。制作しているのは、テレビCMなどの映像だけではなく、雑誌の広告やポスター、WEB、電車などの交通広告、屋外広告、大型ビジョンなど多岐にわたります。たくさんの人々の目に触れるものなので、仕事のスケールの大きさにプレッシャーを感じることもありますが、とても大きなやりがいにつながっています。
学生時代は、映画やテレビ、芸術祭などの制作運営スタッフとして、社会人と一緒に現場経験を重ねました。3・4年次には、学生運営の映画祭に参加。他大学の学生や協賛企業の方と関わり合うなかで、多様な考え方に触れることができました。時には意見が衝突することもありましたが、個人として、チームとしてどうしたら目標を達成できるのかを考え、仲間と共にイベントを創り上げました。この経験から、人に頼ることは一概に悪いことではなく、一人ひとりの力を合わせることで、より良いものを創ることができるという、チームワークの大切さを知りました。プロの現場で社会の厳しさを学び、映画祭で仲間の大切さを学んだことは、貴重な経験です。
最近は、「超高画質マーケット」における新規事業の開発にも携わっています。4K はもちろん、8Kや次世代の高画質技術を活用した、新しいビジネスモデルのあり方を模索しているところです。新しい領域に挑んでいると、立教の学びを思い返します。それは、映像身体学科で映像制作の実技を行うだけでなく、身体学や映像学について、歴史や思想などさまざまな角度から学べたこと。身体表現や映像表現、舞台や映画など、それぞれの歴史はまったく異なりますが、物事を中立的な立場で多角的に学べる場は、稀少で特別な場所だと思います。立教の学びのなかで、多角的な視点を得られたことが、社会人になった今、とても役に立っていると感じます。
株式会社ロボット勤務/現代心理学部映像身体学科/2010年3月卒/“創ること”に興味があった林田さんは、学生時代からさまざまな制作の現場に参加。「ビジネスに携わる人たちと出会ったことで、そもそもコンテンツ(情報の内容)を創るためにはどうしたらいいか、その価値を高めるためにはと考えるようになりました」。それが現在の会社に就職した動機になっている。近年、テレビだけでなくWEBやSNSなどメディア(媒体)が細分化されるとともに映像の役割や可能性も広がり、求められる人材も多様化していると言う。「自分にしかできないことを探し、それを伸ばしながらしっかり考えてプロデュースできる人間になりたいと思っています」。