
私の専門は、保育における「環境」です。ここでいう環境とは、教室や遊具といった目に見えるものだけではありません。目の前の子どもにとって、今どのようなモノ・ヒト・コトが意味をもつのかを捉え、意図をもって準備することが大切です。
保育の現場では臨機応変な対応が求められますが、それは「無意識」で行ってよいものではありません。私は、無意識は無責任につながると考えています。保育者一人ひとりの行動には意味があり、プロとしてその意味を自覚する必要があります。幼児教育アドバイザーとして研修を行う際には、実際の保育中の写真を用い「今、この場面で何が起きているのか」「この前後に何があったのか」を問いながら考える時間を意図的に作っています。現場の先生方と共に学び合いながら、問い続ける保育の在り方を現場に広げています。

保育者向け研修の様子。写真を用い、現場の「今」を切り取って考える対話型の研修を行っています
保育指導法(環境)の授業では、学生が考えた指導案をもとに模擬保育を行います。保育者役と子ども役に分かれ、想定した遊びの場面をロールプレイし、演習後に必ず設ける討議の時間の中で、大切にしているのは学生が「自分の思う正解」に飛びつきすぎないこと。保育にはひとつの正解があるのではなく、目の前の状況を多角的に捉えた上で、その場に適した判断を導く力が求められます。学生たちが自信をもって出した結論に対して、あえて「本当にそうなの?」と問いかけることで思い込みに気づき、考え続ける姿勢を育んでいます。

立ち止まり、考え直すプロセスを重視した模擬保育演習後の討議。問いかけが、学生の考えを広げます
進路に迷ったとき、どの道を選んでもその先にいるのは自分自身です。失敗も成功も含めて、すべての経験には意味があります。「なぜ?」と問い続ける姿勢を大切にしてください。きっと未来のあなたを支えてくれます。

巣立った卒業生が近況を語りに訪ねてくることも多いそう。卒業後は同志として、共に探究し続ける
専門分野/保育内容総論、保育指導法(環境)、幼児と環境、保育所実習
略歴/山口大学大学院教育学研究科修士課程修了。山口県内の幼稚園・保育所での勤務を経て、2009年より宇部フロンティア大学短期大学部保育学科専任講師、2019年より准教授。宇部市教育委員会教育委員、山口県乳幼児の育ちと学び支援センター専門分野に係る幼児教育アドバイザーなども務め、現場と研究をつなぐ活動を続けている。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。


