自然環境の保全や野生動物の保護、ペットなどの愛護動物をテーマに研究に取り組んでいます。近年、拡大造林(人工林)の放置や整備不足を原因とする山崩れや水害、犬や猫の飼育に関する問題、さらに今後SDGsが世の中に浸透していけば、企業活動にも影響を与えていくでしょう。自然環境や動物と私たちの社会のつながりを理解し、専門的な知識を身につけ、研究に取り組むことがよりよい社会づくりの基礎になるはずです。将来の活躍の場としても、ネイチャーガイドや動物保護団体などに限りません。例えばペット可のマンションが増えていますが、それに伴って生じるトラブルに対応するために、動物に関する知識が不動産管理会社で活かすことができます。今や自然や動物との社会の関わりについて学ぶことは、業界を問わずあらゆる場面で求められているのです。
小島先生の授業やゼミのテーマは様々です。1.最近増えてきている自然環境の保護をテーマにしたアニメ作品を取り上げ、背景に描かれた一見緑豊かな山々を分析し、人工林の増加について考えます。2.上野動物園や旭山動物園など各地の動物園で「ズーチェック」を学生たちが実施し、例えば熱帯地域に生息するカバが北国の真冬の野外で展示されているような現状を観察、動物たちが本来の生態に合うように飼育されているか調べ、動物園の在り方について考えます。3.獣医師の話を聞いたり、海外の環境保護団体とオンラインで交流もしています。
授業やゼミでは、自然や動物のことを学ぶのにとどまらず、社会との関わりや社会的背景も探ります。環境問題を解決し、動物を守るためには社会の制度やしくみを変えることが重要です。一緒に考えていきましょう。
専門/保全生態学、環境学(環境社会システム、環境政策、環境教育など全般)
略歴/麻布大学獣医学部環境畜産学科卒業。帯広畜産大学大学院修士課程・岩手大学大学院連合農学研究科博士課程を修了。博士(農学)。東京大学大学院農学生命科学研究科COE特別研究員などを経て、現在、川口短期大学ビジネス実務学科学科長。
主な著書/『<図説> 生物多様性と現代社会』『野生動物の餌付け問題』(分担執筆)