
マスタリングとは、音楽における最終仕上げの工程であり、再生環境が変わっても歌や演奏のニュアンスが損なわれないよう整える役割を担います。アーティストの伝えたい想いが、どのようなオーディオシステムでもリスナーに届くように仕上げることが目的です。音楽を「いいな」で終わらせるか、鳥肌が立ち涙を誘うほど心を動かすか、その最終的な引き上げがマスタリングにかかっていると考えています。楽曲そのものの魅力を尊重しつつ、レコーディングやミックス段階で込められた意図やニュアンスを逃さず、アーティストとリスナーをつなぐ橋渡しを行う仕事です。また品質管理の一環として、洋服のほつれを直すようにノイズを除去する作業も重要な役割の一つです。

「一期一会の精神で常に真剣勝負、真心を込めて」マスタリングさせていただいています
演習マスタリングの授業では、リスナーと音楽制作者では音の聴き方や意識が異なることを伝えている。例えるなら、レストランで料理を食べる側と作る側の違いで、エンジニアは音色やバランスに目を向けるという考え方だ。なぜこのキックの音なのか、歌声の透明感はどう作られているのかなど、制作側の視点で考える力を養う。個々の感性を大切にしつつ、聴き比べを重ねることで、学生は次第にリスナーから音楽制作者の聴き方へと変化していくという。

スピーカーの間隔を変えながら、位置による音の違いを聴いてみる
勉強、スポーツ、趣味、学生の時にしか出来ないことを思いっきり楽しんでください。自分は何をしている時が一番充実しているか、楽しいのか、それを学生時代に見つけることが出来たら幸せです。
音響芸術専門学校を卒業後、レコーディングエンジニアとして(株)音響ハウスに6年間勤務し、その後マスタリングエンジニアとして(有)サイデラマスタリングに17年間在籍。現在は(有)タイニーボイスプロダクションに所属する傍ら、母校である音響芸術専門学校で講師も務めている。中学生の頃からオーディオに親しみ、オーディオ雑誌への投稿を通じて評論家・及川公生氏から満点評価を受けた経験が転機になったと話してくれた。
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