建築の面白さは、頭の中の想像が実際のモノになること。そして、その完成形が暮らしに欠かせない“衣食住”を担い、何十年も施主様の幸せを支えるわけですから、やりがいは本当に大きいものです。しかし、建築物を形にする過程にはさまざまな法律や気候風土、施主様の希望が関わるため、専門知識に加えて正しい判断力や考え方の幅が必要となります。そうした力を在学中から育めるように、土地造成・都市開発の段階から建築に携わってきた経験、住宅・福祉施設・商業施設など多ジャンルの意匠設計を担当してきた経験を、余すところなく学生に伝えています。また、私が指導する夜間部では幅広い年代の学生が学んでおり、社会人と二足のわらじを履く人も少なくありません。年齢や業種の壁を越えた日々の交流も、建築士の視野を広げてくれるでしょう。
稲原先生が担当する「建築法規」と「設計製図」は、建築士の試験にも深く関わる授業。そのため学生自身の“深い理解”が大切となります。特に法律関係は現場に出ないとわかりにくい点が多いため、先生が過去に携わった案件の図面や写真を豊富に活用。実際のシーンと関連する法律を照らし合わせられるため、スムーズに理解できます。一方、「設計製図」では二級建築士試験の問題をもとに、まず学生に考えさせることを重視。完成した図面から課題点をともに見直すことで、問題を正しく読み解く力と考える力を同時に養っていきます。
2年間でプロをめざせる専門学校はメリットが大きい分、学びの効率性が大切になります。貴重な学習期間を活かせるよう、なりたい自分を明確に描きながら、在学中にひとつでも多くの経験を積み重ねてください!
専門:建築法規、設計製図
設計事務所を経営する父親の影響で、幼少の頃から建築士の夢を持ち続けた稲原先生。高校卒業後は測量の専門学校と修成建設専門学校(夜間部)とのWスクールに励むなど、夢に向かって努力を重ねた。複数の設計事務所で経験を積んだ後、2006年に「泰プランニングオフィス」を開設。日本建築士会連合会青年委員会副委員長をはじめ、現在は奈良県建築士会副会長など幅広い役割から建設業界の発展に貢献する。