自身のブランド、ターク(TAAKK)を立ち上げました。デザインという仕事で認められたい。認められてタークをお客さんが着てくれて、その成功体験を重ねていきたいです。ファッションブランドの運営において、いちばんと言っていいほど大事なのは人間関係。バイヤーが店で売るアイテムを買い付けるため訪れる展示会では来場くださった方へ服のエッセンスを丁寧に説明したいし、服をつくってくれる工場さんへの心遣いも大切です。また、パリコレでは、なによりも、世界中から集まった人たちに洋服をちゃんと見せたい。しっかりとつくったものを、しっかりと見てもらいたいと思っています。
授業で技術を学ぶことに並行して、アパレルでのインターンで実践的なデザイン手法や流通を知ることも有益だと思います。どんな商品が必要で、どのような生地で実際の服にしていくかまで考えられたうえで、初めてデザイン画を描く。それがアパレル産業でのファッションデザインの仕事です。「1ヶ月後にデザイン画を描くから、いまなにを準備すべきか」というのがデザインプロセスです。インターンに行けばそうしたことを実体験として学べるでしょう。自分の可能性が見えてくるから、学校の外に出る活動を推奨したいです。文化服装学院の学生だからこそ受け入れてくれる企業もきっと多いことと思います。
出身の秋田での高校生時代から、友人の服をつくるなどファッションへの関心を深めていました。文化服装学院のアパレルデザイン科では、本格的に服づくりに没頭しました。でもいま振り返ると、その頃つくってた服なんて口に出せるような出来栄えじゃないです(笑)。アパレルデザイン科のあと進学した1年コースの文化ファッションビジネススクール(現・文化ファッション大学院大学)の卒業間際につくったのは、『縫わず洗濯機で作る服』。ウールの原毛をニードルパンチで布に移植し、洗濯機に入れると、ニードルパンチの箇所が半分くらいに縮みます。その縮みを計算して布をサーキュラー形のパターンで裁断して、レディスジャケットにしました。
ターク(TAAKK) ファッションデザイナー/アパレルデザイン科 卒/※文化服装学院公式サイト 卒業生取材『LINKS』より一部転載 https://sumirekai.bunka-fc.ac.jp/interview/links/009/