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開催イベント
MRIの技術開発と生命メカニズムの解明
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2023年9月11日(月)18:30~20:00
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申込URL:https://www.ou.tmu.ac.jp/web/course/detail/2321Z005/
MRIとは、Magnetic Resonance Imagingの略称であり、日本語では磁気共鳴画像法と呼びます。近年の病院施設で実施される医学検査としては、なくてはならない存在になっている検査のひとつです。体の断面を撮像し、病気をみつける検査として広くしられていることかと思います。そのMRI装置は、非常に強力な磁石と、世にありふれているFM帯の電波を用いることで生体内の断面や情報を収集し、画像として構築しています。
MRIには、多くの技術や知見が集約されて装置として構成されていますが、その技術にはノーベル賞を受賞した発見が5つも含まれています。現在も活発に開発は進められており、数十年後の技術はどうなっているのか想像もつきません。
MRIは何が非常に興味深いか。生体の断面を撮像するのみでなく、生体内の代謝や温度、活動量などといった、解剖のみならず機能的な情報まで計測することが可能という点が挙げられます。MRIは生体内の水を画像化することで解剖学的な断面を画像化していますが、温度やタンパク質の量、エネルギー代謝率をどのように検出するか疑問を持つ方もいるかと思います。「温度」とは、水の温度を指しますが、これは水分子に含まれる水素原子の移動速度から計算しています。温度によって水は 運動量が変わりますので、水分子 の移動速度がわかれば、温度を逆算することができるのです。また、タンパク質やエネルギー代謝率でも、計測しているものは水素原子。水素が他の原子とどう結合しているかによって、磁場をかけた際に水素原子から返ってくる周波数が異なります。この周波数を追うことで、水分子以外の物質の状態も、MRIを使って計測・解析することができるのです。一方、ヘモグロビンの計測では、ヘモグロビンに含まれる鉄の影響で歪む磁場を計測・解析しています。
本講座では、基本的なMRIの原理、そして医学検査としての活用方法、さらに生命科学などの研究分野での活用方法を紹介解説していきます。MRIは、生命のなにが見えるのか、どのような興味を魅せてくれるのか、どのような将来性を秘めているのか。
畑純一(東京都立大学健康福祉学部放射線学科 准教授)
MRIとは、Magnetic Resonance Imagingの略称であり、日本語では磁気共鳴画像法と呼びます。近年の病院施設で実施される医学検査としては、なくてはならない存在になっている検査のひとつです。体の断面を撮像し、病気をみつける検査として広くしられていることかと思います。そのMRI装置は、非常に強力な磁石と、世にありふれているFM帯の電波を用いることで生体内の断面や情報を収集し、画像として構築しています。
MRIには、多くの技術や知見が集約されて装置として構成されていますが、その技術にはノーベル賞を受賞した発見が5つも含まれています。現在も活発に開発は進められており、数十年後の技術はどうなっているのか想像もつきません。
MRIは何が非常に興味深いか。生体の断面を撮像するのみでなく、生体内の代謝や温度、活動量などといった、解剖のみならず機能的な情報まで計測することが可能という点が挙げられます。MRIは生体内の水を画像化することで解剖学的な断面を画像化していますが、温度やタンパク質の量、エネルギー代謝率をどのように検出するか疑問を持つ方もいるかと思います。「温度」とは、水の温度を指しますが、これは水分子に含まれる水素原子の移動速度から計算しています。温度によって水は 運動量が変わりますので、水分子 の移動速度がわかれば、温度を逆算することができるのです。また、タンパク質やエネルギー代謝率でも、計測しているものは水素原子。水素が他の原子とどう結合しているかによって、磁場をかけた際に水素原子から返ってくる周波数が異なります。この周波数を追うことで、水分子以外の物質の状態も、MRIを使って計測・解析することができるのです。一方、ヘモグロビンの計測では、ヘモグロビンに含まれる鉄の影響で歪む磁場を計測・解析しています。
本講座では、基本的なMRIの原理、そして医学検査としての活用方法、さらに生命科学などの研究分野での活用方法を紹介解説していきます。MRIは、生命のなにが見えるのか、どのような興味を魅せてくれるのか、どのような将来性を秘めているのか。
畑純一(東京都立大学健康福祉学部放射線学科 准教授)