公立大学/東京

トウキョウトリツダイガク

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日常生活から問いを発見しよう

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開催日時
  • 2023年
    10月
    31日
    (火)
    18:30~20:00
申込URL:
https://www.ou.tmu.ac.jp/web/course/detail/2331G117/

「社会学者が100人いれば100通りの社会学がある」と言われるように、私が社会学とはなにかについて90分で紹介することは、到底できそうもありません。
そのため本講座では、社会学を続けてきた私がどのようにして社会学を始めたのか、具体的にどのようなことを行ってきたのかについてお話ししたいと思います。

●日常における漠然とした疑問から始まる
生物学が生物を観察対象とする学問であるように、社会学は社会を観察対象とします。言い換えれば、社会学はみなさんの身のまわりで起こっている日常的な現象を観察し、そうした現象がどのようにして生じているのかについて明らかにします。たとえば、みなさんのなかには「推し活にこんなにもハマってしまうのはなぜなんだろう?」とか、「なぜ校則に縛られて学校生活を送らなければならないのか?」などといった疑問を抱きながら日常を送っている人が少なからずいるかと思います。社会学はこうした日常における疑問を持つことから始まります。そのうえで、社会学をするにはそうした疑問をあえて問い直そうとする好奇心を持つことが求められます。
私にとっての疑問とは、「技術が進歩してきたはずなのに、なぜこんなにも働けと言われるのだろう?」というものでした。そうした漠然とした私の疑問は、「働いていない状況にあると、どのような思いを抱えることになるのか?」といった具体的な問いにつながりました。そして私は、同世代の人たちのなかで仕事に就いていない人たちや定まった仕事に就いていない人たちに話を聞いたり、そうした人たちの集まりに参加したりするといった「フィールドワーク」を行ってきました。

●自分自身を見つめ直す体験
社会学において、実際に日常生活のなかで起こる出来事を観察するための方法はいくつかありますが、本講座では、私がこれまでに主に行ってきた、人から話を聞く「インタビュー」と、自分の関心を持つ人たちの集まりに自らが参加して観察する「参与観察」を中心にお話しをする予定です。
「インタビュー」や「参与観察」といった調査方法は、社会学のほかにも文化人類学などの学問でも用いられています。すべてがあてはまるわけではありますが、文化人類学では異なる社会で生きる人たちを調査対象とするのに対し、社会学の場合は、まさに私たちが生活する社会のなかで、ある特徴を持つ人たちやそうした人たちの集まりを対象とするといった違いがあります。そのため、調査対象とする人たちを観察するだけでなく、自らも観察対象となることから、調査者に「戸惑い」や「迷い」が生じると同時に、調査者にとって「自分自身を見つめ直す体験」でもあります。

講師:東京都立大学 大学教育センター 特任准教授 仁井田 典子

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