
病理学は病気の原因(病因)と結果(症状)を論理的に結び付けて解釈する学問。生じた病変組織や細胞を観察し、どのような変化が生じているか、悪性の細胞がないかなどを診断します。病理学的検査は精密検査の一種であり、その結果が最終診断となり治療方針決定に最重要な根拠となります。私は学生時代、顕微鏡で様々な病変を観察する面白さに惹かれ、大学院でも主に胃がんの悪性度に関する研究に取り組みました。がんは発生した臓器により特徴が異なりますが、同じ臓器から発生したがんでも患者様それぞれで特徴が異なり、進行具合や治療法にも違いが生じます。そうした差は何を原因としているのか、がん細胞が作るたんぱく質に注目し研究してきました。研究成果が治療の発展につながることを期待しながら取り組んでいます。

プレパラートは臓器や病変の違いによって様々な染色を使い分ける必要があり、実習では何十枚も作製します
「解剖学・病理学の講義では、実際の人体臓器・組織・細胞の画像を用いることで学生に具体的なイメージを持ってもらうようにしています。解剖学は正常、病理学は異常を学ぶ授業なので、正常と異常を常に比較して学習できるように工夫しています」。病理学の実習では実際に顕微鏡観察用のプレパラート(標本)を自分たちで作製する。試料を専用の装置で薄くスライスしてスライドガラスに貼り付け、染色液で細胞に色をつけていくが、臓器や病変の違いによって染色を使い分け、観察・スケッチも行い、解剖学・病理学の理解を深めていく。

ミクロトームを使って、顕微鏡で観察する試料を極薄にスライスする
人体に起きる変化は多彩ですが、そこには必ず原因があり、それぞれの病気をより詳細に分析することで効果的な治療が行えるようになっています。治療の選択に貢献できる病理学的検査、病理学研究に貢献しませんか!

大学院生時代に実習生教育を経験し改めて学ぶ大切さを実感。大学の先生になるきっかけとなった
専門分野:解剖学、病理学、病理検査学。1979年7月、千葉県生まれ。2008年、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)大学院 保健衛生学研究科 博士(後期)課程 修了(保健学博士)。同年東京文化短期大学(現・新渡戸文化短期大学)助教、文京学院大学 保健医療技術学部 准教授を経て、2022年4月より日本医療科学大学勤務。臨床検査技師。
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