
臨床工学技士の主な業務に、人工心肺やECMO(Extra-coaporeal membranous oxygenation)などの補助循環があります。私の研究室では、これらの機械的循環補助に関する課題解決に向けた研究に取り組んでいます。近年、特に注力しているのが、胎児や未熟児を含む子どもに応用するためのラットを用いた体外循環モデルの確立。私が実際に臨床現場で苦悩していたのが、子どもに対する補助循環の難しさでした。ECMOは回路が大きく、子どもに導入しようとすると輸血が必要となります。ところが、輸血を行うまでのプロセスに時間がかかり、脳がダメージを受けてしまうのです。輸血の必要がないほどの小ささで、尚且つ性能の高い人工肺とECMOの回路を確立できたら、助かる命がある。そう考え、研究に励んでいます。

長年、心臓血管外科手術で数々の症例に携わってきた経験を活かし、臨床課題の解決に取り組んでいます
「人工心肺制御学」では、臨床現場の第一線での山崎先生自身の実体験も交えて、講義や実習を行っています。3年次後期から学内外での実習に挑戦。人工心肺装置の操作方法から、手術器具の取り扱い、全身麻酔中の人工呼吸管理や患者モニタ、電気メスといった周辺機器の使用方法まで、実際の手術をシミュレーションしながら学びます。「学生には、臨床工学技士が働くのは命に直結する現場であることを常に意識してもらいたい」と山崎先生。ゼミでは臨床課題の解決を目標に掲げ、人工心肺に関する応用的な実験・研究にも取り組んでいます。

先生の臨床現場での体験談を共有することで、学生たちの学習に対するモチベーションも高まります
臨床工学技士は知る人ぞ知る重要な仕事。手術支援ロボットや手術ナビゲーションシステムなどの医療機器が必要不可欠である今、臨床工学技士のニーズは高まっています。命の最前線で活躍する人を共にめざしましょう!
1999年に臨床工学技士免許を取得。国立循環器病センター(現:国立循環器病研究センター)で心臓血管外科手術での人工心肺に従事し、在任中は国内初となる心臓移植における体外循環や、左室補助人工心臓など数々の症例に携わる。2008年より藍野大学医療保健学部特任講師として入職。2010年より現職。国際医療支援の一環として、アフリカ・ザンビアの国立心臓病院で心臓手術での人工心肺の現地指導も行っている。
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