私は子どもの発達支援を専門にしています。子どもとのリハビリでは、人と関わろうとする意欲を引き出すことが、コミュニケーションやことばを育てるスタートになります。リハビリのときに心掛けていることは「この子が今何がしたいのか」「今後どうなっていきたいのか」を想像すること。ことばで表現していることと、実際考えていることは必ずしも同じとは限りません。子どものことをよく観察して、ことばだけでなく表情や仕草、態度から思いを読み取ることが大事。そして、お子さんとじっくり向き合いながら「できた!」を聞ける瞬間は何よりの喜びです。
同校では、ことばや発達に不安をもつお子さんのために『ことばと発達の相談室』を併設。実際に、先生がお子さんの検査や訓練をする様子を学生が隣の観察室から見学させて頂いたり、学生たちが実際に訓練に参加する実践的な授業を行っています。「学生たちには、『できないこと』だけに目を向けるのではなく、お子さんの『今できること』を見つけられるようにと伝えています」と先生。言語聴覚士のキャリアを活かし、人の心に寄り添えるセラピストを育てています。
言語聴覚士の魅力は、患者さんと「できた!」という達成感をよろこび合えること。「人と関わることが好き」「人の役に立ちたい」そんな気持ちを持っている方は言語聴覚士に向いていると思います。
専門:小児(発達障害)
「人と話すことが好き」を活かせる仕事に魅力を感じ、言語聴覚士の道へ。病院に6年勤務し、成人リハビリを担当。産休・育休を取得後、復職する。のちに希望していた小児分野へ転向。発達支援センター等で、発達障害をもつ子どもの支援に尽力する。現在は姫路医療専門学校の教員として学生に指導する傍ら、校内にある『ことばと発達の相談室』で毎週土曜日に言語聴覚士として小児の療育支援に携わっている。