私の研究テーマは「地域リハビリテーション」です。障がいのある人や高齢者などが住み慣れた街で安全に生き生きと生活できるよう、医療や保健、福祉、行政などが連携して進めるリハビリテーションについて考えています。具体的には、本学と地元の清須市との協働事業として行われている「清須市民げんき大学」や、障がい者スポーツに取り組み、そこで得た調査結果を研究に活かしています。
また、臨床経験を通して高齢者の転倒予防の重要性を痛感しており、関節の動きを認識する能力(固有感覚)に着目して計測やトレーニングの方法を研究しています。固有感覚を鍛えることでつまずくことが減り、転倒骨折を予防して健康寿命を延ばせると考えています。
これらの研究を通じて、高齢者や障がい者が住み慣れた街で生き生き暮らせる社会にしたいと思います。
加藤先生の「日常生活活動学・実習」では、解剖学、運動学などの基礎医学や理学療法治療学などを総合的に活用し、患者さまの自立した生活を支援する方法を学びます。その際に加藤先生が重視しているのは、基本となる援助方法がなぜいいのか、その理由や根拠を理解することです。それにより、一人ひとりの患者さまに適した援助を提供する「応用力」が身につくと語る加藤先生。「患者さまの障がいや生活環境は千差万別。教科書通りにいかないのが臨床の現場なので、オーダーメイドの援助ができる理学療法士の育成をめざしています」。
理学療法士は、障がいのある人が対象です。本学では、その人の「今」と「将来」を見据えて、生活全体や全身をみることができる人材を育成します。また、他大学や市町、附属こども園との連携を通じた学びも魅力です。
【専門分野】
介護予防、日常生活活動学、理学療法学(中枢神経系)など
【略歴】
高校時代、高齢者施設などでの実習を経験したことがきっかけで医療福祉系の職業に関心を持つ。理学療法士を志し専門学校愛知医療学院(現・愛知医療学院短期大学※2024年4月に四年制の愛知医療学院大学へ移行)に入学。卒業後は一般病院で理学療法士として勤務。その後、母校である愛知医療学院短期大学の教員に。健康運動指導士。