17歳で世界的アパレルブランドとコラボしたイラストレーター JUN INAGAWAに注目!

高校2年生の時、Instagramに投稿したイラストが、Supreme(シュプリーム)のスケーターが立ち上げたアパレルブランドParadis3(パラダイス)のTシャツに!

さらに、DIESEL(ディーゼル)やVLONE(ヴィーロン)など、さまざまな世界的ブランドともコラボレーションしている19歳のイラストレーターJUN INAGAWA。

イラストレーターになるにはJUN INAGAWA

※HISTORY OF THE SEX PISTOLS by JUN INAGAWA


どんな高校生活を過ごしていたのか?

イラストレーターを目指している高校生へのメッセージ、将来はマンガ家になりたいという夢についてインタビュー!
 
【プロフィール】

JUN INAGAWA イラストレーターになるには
JUN INAGAWA
1999年生まれ。
12歳の時、父親の仕事の都合でアメリカ・サンディエゴへ移住。
17歳の時、Instagramに投稿したイラストがきっかけで注目されるようになり、ロサンゼルスで“萌”と“ストリートカルチャー”を掛け合わせた作風で活動。DIESEL(ディーゼル)、VLONE(ヴィーロン)など、さまざまな世界的アパレルブランドとコラボレーションしているイラストレーター。
2018年、日本へ帰国。2019年3月1日~5月23日まで、渋谷のDIESEL ART GALLERYにて、初個展『魔法少女DESTROYERS(萌)』を開催。
アイドルグループBiSHのEP『STiCKS』のジャケットイラストや広告デザインも手がけている。

ただ絵を描くのが好き。イラストレーターは考えていなかった

子どものころから絵を描くのが好きだったというJUN INAGAWA。

イラストレーターになるには Jun inagawa

※アナーキーちゃん by JUN INAGAWA


いつから絵を描き始めたの?
「父が自動車のデザイナーで、小さなころから『スパイダーマン』や『スター・ウォーズ』のキャラクターの絵を描いてくれたんです。

それをマネして、自分でも描いてみるようになったのは4~5歳くらい。

『クレヨンしんちゃん』や『ドラえもん』などを描いていて、そのころから感覚的に『俺は絵で生きていくんだな』と勝手に思っていました。

だから、あまり勉強しなくて(笑)。

自由帳に絵ばかり描いていましたね。

特に図工の成績が良かったとか、将来イラストレーターを目指そうと考えていたわけではないけど、普通に絵を描くのが好きで、『ずっと絵を描いて生きていきたいな』と思っていたんです」

マンガやアニメを観るのも好きだった?
「小学生のころから、マンガもアニメも大好き。

『ドラゴンボール』や『ONE PIECE』のキャラクターのイラストや友達の似顔絵を描いて、友達にあげていました。

でも、実は『プリキュア』シリーズや少女系アニメのほうが好きな隠れオタク(笑)。

友達には言えなくて、こっそり描いていたんです」
イラストレーターになるには JUN INAGAWA

※アナーキーちゃん2 by JUN INAGAWA


有名キャラクターの模写で満足していた中学~高校時代

アメリカに住んでいる時も、同じような生活だったの?
「小学校卒業後に、父が転勤することになり、カリフォルニア州サンディエゴに移住。

現地のミドルスクールとハイスクールに通いました。

アメリカで観ていたのも、全部、日本のマンガやアニメです。

2014年、14歳の時にInstagramを始め、『東京喰種』『進撃の巨人』『ラブライブ!』を模写してアップしていました。

オリジナルイラストも描いていたけど、公開する勇気がなかったし、Instagramから仕事に発展することはないと思っていたんです。

だから、ただの趣味のつもり。

マンガやアニメのキャラクターをまったく同じように描いて、『すごいね』って言われるだけで満足。

ただ上手に描けるだけでいいかなって、特に真剣にもならず、ひたすら模写しまくっていましたね」
イラストの描き方は、どうやって勉強したの?
「独学です。

好きなイラストレーターさんが何人かいるので、その人たちのイラストを見て学びました。

ポージングのマネをしたり、構図を参考にしたり。

普段、描いている落書きや練習用に描いたイラストも、片っ端からInstagramに載せていたんですよ。

そのうち、模写ではなく、自分のオリジナルイラストを描きたいと思うようになって…」

スケーターのイラストが有名ブランドのTシャツに!

Supremeのスケーターのイラストを描こうと思ったきっかけは?
「もともとアニメばかり観ているオタクでしたが、17歳のころ、約1年くらい重症の引きこもりだった時期があるんです。

一応、ハイスクールへは通っていたけど、よくサボっていたし、ひたすらアニメを観て現実逃避。

そんな時、スケートやパンクロックなど、ストリートカルチャーが好きなおじに

『引きこもってもいいし、アニメのイラストばかり描くのもいいけど、そのままだと、結局、みんなと同じ土俵に立っているだけ。

これからは、みんなと違うことをするやつが売れる、イケるんじゃないかな。

好きなイラストレーターの絵を見て勉強するのもいいけど、それで上手になったとしても普通だし、そのイラストレーターを超えることはできない。

これを観てみろ』


と言われて、YouTubeでSupremeのスケートビデオを見せてもらったんです。

今でも大好きなスケーターJason Dillのビデオを観たら、すごくカッコよくて!

ストリートスケートは、とにかく自由で、やりたいことをやっちゃってる。コースがないから好きなところでスケートをしていて、人が歩いている街中とか、走っている車につかまって滑っているシーンも。

カッコイイから描いてみたくなって、彼らの集合写真みたいなイラストを試しに描いて、Instagramにアップしたんです。

『いつもと違うスタイルだよ』くらいの軽い気持ちで投稿したから、反響があってビックリしました」
イラストレーターになるには Jun iInagawa

※FUCKING AWESOME by JUN INAGAWA


Instagramに投稿したイラストが、どうやって仕事につながったの?
「今から約2年前、17歳の時に投稿したSupremeのスケーターJason Dillのイラストを見たアパレルブランドParadis3の方から連絡をいただいたんです。

『一緒におもしろいことやらない? Tシャツでも作ろうか?』って。

買い取ってもらったイラストがTシャツになりました。

それがイラストレーターとしての初仕事ですね」

イラストレーターになるきっかけはマンガやアニメ以外のイラスト

スケーターのイラストを描いたことが転機になった?
「オタクだった僕を、外の世界へ連れ出してくれたのがストリートカルチャーですね。

オタクと言っても、イラストに関しての引きこもり。

好きなマンガ家の絵を見て、『これがうまいんだ。この絵のマネをすれば僕はうまくなれる』と思い込んでいました。

でも、それは違っていた。

自由な発想のスケートやストリートカルチャーに触れて、僕も人と違ったことをしなくちゃいけないと気づいたんです。

大好きなスケーターJason Dillが

『俺はほかのスケーターのマネをしない。

インスパイヤーされるけど、ほかのスケーターから影響は受けない。

音楽や恋愛、街行く人々の会話、そこから影響されたことを、俺はスケートに溶け込ませる』


と言っているのを聞いて、すごくカッコイイな、僕も、マンガやアニメとはまったく関係ない、たとえばスケートを採り入れてみよう、と思って、スケーターやストリートカルチャーのイラストを描き始めたんです。

その時に、イラストレーターJUN INAGAWAが誕生したのかな」
イラストレーターになるには JunInagawa

※EMPTY INAGAWA



イラストを発表する場はInstagramだけ?
「ハイスクール時代は、毎日、イラストを描きまくって、1日か2日に1回はInstagramにアップしていました。

最初のSupremeもそうでしたが、その後のVLONEなども、Instagramのイラストを見たブランドのグラフィックデザイナーからDM(ダイレクトメッセージ)で連絡をもらって、どんどん仕事につながっていったんですよ。

それまでは、Instagramのイラストを見て、欲しいとDMをくれた人に直接会って、B4サイズのイラスト1枚2000円くらいの値段を適当につけて譲っていました。

気に入ってくれたならあげるよ、とタダで渡したことも多かったですね。

だから、ただ好きで描いていたイラストが、超有名なブランドとコラボすることになって、正直、自分でも驚いています。

『僕のイラストでいいんですか?』って戸惑いも」

マンガ家になりたいと思って日本へ帰国

まさにアメリカンドリームで活躍していたのに、日本へ帰国した理由は?
「ストリートカルチャーとオタク文化を掛け合わせた自分のイラストが、オタク文化の本場・日本でも通用するのか、試してみたくなったんです。

それと、イラストレーターだけでなく、マンガ家を目指そうと思って。

大好きなマンガは全部、日本の作品ですから」
ツライと思ったことはない?
「僕はちゃんとしていないイラストレーターなので(笑)、日本ではそう簡単に認めてもらえないと思います。

やめたいと思ったことは何度もあります。

人に合わせたほうがいいかな、とか、自分がやっていることに怖いなと思ったこともあります。

もっと他に絵が上手な人はたくさんいるのに、なぜ自分が評価されるのかもわからないんです。

でも、始めた以上は、やめられないな。

逃げるより、やったほうがいいと思って、描き続けています」
イラストレーターになるには JunInagawa

※OTAKU IS CULT by JUN INAGAWA


これからは、どんなマンガを描きたい?
「オタクに市民権を与えるためのマンガですね。

僕のオタク経験、ストリートカルチャーから影響された自由な世界観をマンガで表現したい。

日本での初個展で展示した作品も、僕が今まで受けてきた影響をまとめたものです。

ある作品は、好きなイラストレーターさんの絵柄にわざと似せて描きました。

日本では盗作だと言われてしまうかもしれないけど、アメリカのストリートカルチャーでは、有名なイラストのパロディや、わざと似せて描いて、その上からスプレーで描くスタイルがあります。

侮辱しているわけではなく、リスペクトしたうえで、この絵柄を自分のキャラクターが支配していくぞ、というメッセージが込められているんです。

絵として観るのではなく、ぼくの世界観として観てほしいですね。

日本では、著作権に触れたり、その作品のファンに怒られたり、なかなか認められるのが難しいかもしれませんが、それに立ち向かって、マンガにも採り込んでいきたいと考えています。

僕は、自分が描きたいものを描いているだけ。

それを観て、好きだと言ってくれる人は好きでいいし、イヤだなと思う人はそれでもいい。

誰かを傷つける気も、評価されたいという気持ちもない。作品を売って、お金持ちになりたいわけでもない。

ただ、描きたいものを、その日、その時のテンションで描いて、発表する。

自分の描いた世界観は、誰にも変えてほしくないし、変わる気もありません」

イラストレーターは自分の感じたことを描く感覚が大事

イラストレーターを目指している高校生にアドバイスをするとしたら?
「普通のイラストレーターになりたいと思っている人は、僕のことをリスペクトしないほうがいいですね(笑)。

ちょっと人と違うことしてみたい、と考えているのなら、マンガやアニメ以外のことを採り入れるといいと思います。

例えば音楽なら、好きなバンドの歌詞やアーティストのインタビューを聞いて、感じたことをイラストにしてみる。

おいしいもの食べて、それを描いてもいい。

好きなことをしていれば、自然に好きなものが描けると思うんです。

パンクバンドは、政府に対する不満やイライラを音楽にぶつけて歌っていますよね。僕の場合は、その表現の手段がイラストだっただけ。

売れようと思って描くのではなく、自分の感じたことを自由に描けばいいと思いますよ。音楽を聴いて感じたことを描く、ふと思った表現したいことを描く、そういう感覚が一番大事なのかな、と考えています。

世間から評価されたいと思うと、人って変わってしまうから、自分を信じてほしいですね」
好きなことを好きに描いていたら、世界的ブランドから注目されたというシンデレラボーイのJUN INAGAWAだが、自分だけの世界観をもっているからこそ、高い評価を受けているのだろう。

イラストレーターを目指している人は、まず自分が好きなことを描いて、どんどん発表していくことから始めてみよう。

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