医薬品に関わる仕事とは? 医療機関、薬局、製薬メーカー、研究機関、場所別に仕事内容を解説!

医薬品に関連する仕事というとまず薬剤師が思い浮かぶが、それ以外にも、医薬品を作るために必要な仕事、販売するために必要な仕事は多数ある。

ほとんどの仕事で高い専門性を求められるのが医薬品業界の特徴で、だからこそやりがいも十分。

医薬品を通して人々の健康に貢献したいという高校生は要チェックだ。

医薬品開発のプロセス

医薬品に関わる仕事とは? 医療機関、薬局、製薬メーカー、研究機関、場所別に仕事内容を解説!

新しい薬を作るためのプロセスは大きく4つの段階に分けることができ、トータルで10年、20年といった長い期間が必要となる。

天然素材からの抽出や化学物質の合成によって新薬のもとになる物質の候補をみつける基礎研究を経て、候補となる物質の薬効や毒性を動物や細胞を使った非臨床試験で確認。

次に、人を対象とした臨床試験に進み、十分な薬効と安全性を確認した後、厚生労働省に申請を出して承認を得、製造販売を開始するという流れだ。

医薬品に関わる仕事とは

医薬品に関わる仕事とは? 医療機関、薬局、製薬メーカー、研究機関、場所別に仕事内容を解説!

医療機関や薬局で医薬品の調剤を行う薬剤師、医師や薬剤師に医薬品の情報提供を行うMR、製薬メーカーや研究機関での医薬品開発、新薬の臨床試験のサポートなど、医薬品に関わる仕事は多岐にわたる。

薬剤師の働き方は多様化しており、製薬メーカーの研究開発職やMRとして働く人も多い。

field1. 医療機関、調剤薬局、ドラッグストアで働く

医療機関とは医療行為を提供する「病院」「診療所」のこと。

「病院」とは患者さんが入院できる病床数が20床以上ある医療機関を指し、19床以下の医療機関は「診療所」と呼ばれる。

なお、医院やクリニックも「診療所」であることがほとんど。

「調剤薬局」と「ドラッグストア」では、医師が処方する処方箋に基づき、薬剤師が調剤した医療用医薬品を扱うのが「調剤薬局」、処方箋なしで購入できるOCT医薬品を扱うのが「ドラッグストア」という違いがある。

「ドラッグストア」は薬剤師が常駐しているわけではなく、不在の場合は、薬剤師による販売が義務づけられている要指導医薬品や第1類医薬品を販売することはできない。

調剤薬局を併設しているドラッグストアも多い。

1.薬剤師

医薬品に関する幅広く専門的な知識をもつスペシャリスト。

医師の処方箋に基づく医薬品の調剤は薬剤師でなければできない。

近年は医療の分野で、多様な専門家の力を活かすチーム医療が浸透しており、患者の治療に対する薬剤師の貢献度はさらに高くなってきている。

調剤薬局やドラッグストア、医療機関で活躍するほか、MRや研究開発職として就職するケースも。
薬剤師になるには
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薬剤師になるためには国家資格が必要。

6年制の薬学部(薬剤師養成課程)を修了し、国家試験に合格することで薬剤師として働くことができる。

研究職を目指す場合は、4年制薬学部から大学院・修士課程へ進学するルートが一般的だ。

◆6年制薬学部
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薬剤師の国家資格を得るためには6年制の薬学部(薬剤師養成課程)を修了し、国家試験に合格することが必須。

薬剤師を目指すなら、進学時に進路を明確にしておくことが重要となる。

◆4年生薬学部
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薬学部のなかに研究職養成を目的とした4年制の課程を設けていることも多い。

研究職を目指すなら、大学院・修士課程への進学はほぼ必須だ。
医薬品に関わる仕事とは? 医療機関、薬局、製薬メーカー、研究機関、働く場別に仕事内容を解説!

※患者さんが安心して薬を服用できるようサポートする薬剤師。国家資格をもつ専門職だ

2.登録販売者

一般用医薬品を販売するための専門家。

ドラッグストア・コンビニなどに並ぶ処方箋を必要としない一般医薬品の多くは、薬剤師がいなくても登録販売者がいれば販売できる。

資格が必須の職種だが、未経験でも挑戦しやすい。

オンラインショップなどでも登録販売者のニーズは高まっている。

field2. 製薬メーカーで働く

製薬メーカーとは、医薬品を開発・販売する企業。

日本には大手・老舗の製薬メーカーも多いが、最近は外資系企業の進出も目立っているほか、最新技術を活用した大学発の創薬ベンチャーなども数多く登場している。

また、ジェネリック医薬品と呼ばれる後発医薬品を主に取り扱う、ジェネリック医薬品メーカーも存在する。

生物学や化学の専門性が活かせる分野なので、自社の技術力を応用し、創薬事業に取り組む食品メーカーや化学メーカーも多い。 

3.MR(医薬情報担当者)

医師や薬剤師などに医薬品に関する情報提供を行う仕事。

製薬メーカーの社員として自社の医薬品の情報提供を行うMRのほか、MRを派遣する企業に属し、複数メーカーの医薬品を扱うコントラクトMRがいる。

薬剤師などの専門資格を活かすこともできる。

4.MSL(メディカルサイエンスリエゾン)

製薬メーカーで、医学的・科学的な専門知識に基づいて最新の治療法に関する情報収集や情報提供を行う仕事。

MRが自社の医薬品に関する情報提供を行うのに対して、自社の医薬品の販売促進を目的とせず、より幅広く科学的・客観的な立場から医師などへの情報提供を行うのが大きな特徴。

5.生産技術

製薬メーカーにおいて、安全性と効率性を重視した製造工程・品質保証体制を構築する仕事。

新設備や生産ラインの設計にも携わり、機械・電気など工学系の専門性を活かすことができる。

6.品質管理

販売前の医薬品が一定の品質基準を満たしているかどうかを、検査・管理する仕事。

品質試験やデータの分析・管理などを担当し、薬学や化学の専門性を活かすことができる。

医薬品に関わる仕事とは? 医療機関、薬局、製薬メーカー、研究機関、働く場別に仕事内容を解説!

※医薬品開発は10年から20年の長期間にわたる一大プロジェクト。関わる人・職種も数多い

7.研究開発

製薬メーカーや研究機関などで医薬品の研究開発に携わる仕事。

大学院・修士課程修了以上の高い専門性が求められることが多い。

一口に研究開発といってもその仕事内容やバックグラウンドは多様だ。

薬学や化学の専門性を活かして新たな化合物の基礎研究をする研究者もいれば、遺伝子工学の専門性を活かして生物化学的なアプローチで研究開発を行う研究者もいる。
研究職に就くには
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6年制の薬剤師養成課程を修了&国家試験に合格して薬剤師になった後、研究開発に携わるルートのほか、薬剤師の資格を取得せず、研究職を目指す4年制の養成課程・大学院に進学するルートも。

薬学部だけでなく、生命科学部・理工学部(化学系)出身の研究者も少なくない。

◆6年制薬学部
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薬剤師の国家資格を得るためには6年制の薬学部(薬剤師養成課程)を修了し、国家試験に合格することが必須。

薬剤師を目指すなら、進学時に進路を明確にしておくことが重要となる。

◆4年生薬学部
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薬学部のなかに研究職養成を目的とした4年制の課程を設けていることも多い。

研究職を目指すなら、大学院・修士課程への進学はほぼ必須だ。

また、薬学部だけでなく、生命科学を扱う学部・学科で遺伝子工学などを学び、医薬品メーカーで研究職を務める人も多い。

理工系学部の化学科などで得られる化学の専門性や実験の技術なども医薬品の研究職に活かせる。
研究機関としての大学
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大学は、教育機関として薬学部や生命科学部、理工学部(化学系)などで医薬品に関わる人材の育成に貢献しているほか、研究機関として、主に基礎研究の領域で新薬開発につながる研究にも取り組んでいる。

field3.専門機関で働く

8.CRA(臨床開発モニター)

医療機関における新薬の治験(臨床試験)が適切に行われているかを監視する仕事。

CRO(開発業務受託機関)という専門機関、または製薬メーカーに所属。

薬剤師や看護師などの資格を活かして活躍する人も多い。

9.CRC(治験コーディネーター)

担当医師の指示の下、被験者への説明など治験の進行をサポートする仕事。

SMO(治験施設支援機関)という専門機関、または医療機関に所属。

薬剤師・看護師・臨床検査技師などの医療系資格を活かせるほか、CRCの認定資格も複数存在する。

医薬品に関わる仕事とは? 医療機関、薬局、製薬メーカー、研究機関、働く場別に仕事内容を解説!

※医師と協力し、新薬の治験に取り組む薬剤師も。薬剤師が任される役割・活躍する場は幅広い

医薬品業界の最新事情

創薬ベンチャーによる新薬開発にも期待が集まる

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界中の研究機関や製薬会社がワクチンや治療薬の開発に精力的に取り組み、その経過はニュースや新聞でも国民が広く知るところに。

2022年3月現在、日本の製薬メーカーによるワクチンもいよいよ実用化される見通しだ。

また、ワクチンやiPS細胞を用いた再生医療の医薬品開発で存在感を示しているのが、「創薬ベンチャー」と呼ばれる設立20年未満の新興企業。

大学発の創薬ベンチャーのほか、独自のバイオ技術を活用しながら、大企業との共同開発を進める創薬ベンチャーも登場し、がん・糖尿病・アルツハイマー病の治療薬など、新薬の開発に期待が寄せられている。

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コンテンツ提供/ リクルート進学総研『キャリアガイダンス』
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取材・文/伊藤敬太郎(原文)、ミューズ・コミュニティー(2022年3月、一部更新)
イラスト/桔川 伸

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