スポーツに関わる仕事。選手、インストラクター、アナリストetc.人気の職種を徹底解説!

野球・サッカー・テニス・ラグビーなど、日本国内でも世界でもさまざまなスポーツ競技が楽しまれている。

プロから子どもまでプレイする年齢層は幅広く、選手の育成やサポートをする仕事、試合や興行を支える仕事、研究・分析する仕事など、関係する職種も多様。

また、AIの専門家などが活躍する場も年々広がっている。

では、職種別に仕事内容を解説しよう!

スポーツに関わる仕事<試合や興行を支える仕事>

スポーツに関わる仕事。選手、インストラクター、アナリストetc.人気の職種を徹底解説!

プロスポーツ選手、監督・コーチやチーム運営スタッフ、試合の企画・運営や配信を行うマスコミ・イベント関係者など、試合や興行を支える仕事はさまざま。

実況アナウンサー・記者・カメラマンはTV局や新聞社に所属する社員のほか、フリーランスで活動する人も多い。

プロ選手・プロチームのスタッフ

1.プロスポーツ選手

野球・サッカー・バスケットボールのようにプロチームと契約することでプロ選手となる競技のほか、ゴルフ・ボクシング・競輪などプロテストに合格することでプロ選手となる競技も。

テニスなど、競技によっては個人でスポンサーを獲得し、プロとなる道もある。

2.監督・コーチ

プロチーム・実業団・スポーツ少年団・学校の部活動などで選手を育成し、試合で指揮を執る仕事。

プロ野球などは選手が引退後に監督やコーチになるのが一般的だが、高い競技実績がなくてもスポーツ少年団などの指導者になることは十分可能だ。

ただし競技によっては、ライセンス(免許)が求められることもある。

3.チーム運営スタッフ

プロスポーツチームなどで選手・監督・コーチの活躍を支え、チームを運営する仕事。

全体方針を決める経営陣、チームを地域に根付かせるための企画を立案・運営するスタッフ、選手の育成システムの整備やスカウティングを担う強化スタッフ、広報、通訳などが代表例。

4.審判

球技の場合は、ボールのイン・アウトやファウルなどを判定。

ボクシングなどではTKOの判断やラウンドごとの採点を行い、体操やフィギュアスケートなどでは、技の難度や完成度を採点する。

多くの競技では、審判は競技団体による資格制度が設けられている。
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※審判は試合を司る重要な役割。大きな試合に出場するには、幅広い知識・経験と実績が求められる

マスコミ・イベント関係者

5.実況アナウンサー

テレビ・ラジオのスポーツ実況放送で、試合の状況などをリアルタイムで視聴者に伝えるアナウンサー。

展開が目まぐるしく変わる競技では高度なアナウンス技術が求められ、名実況は長くファンの間で語り継がれることも。

放送局社員のほか、フリーで活躍するアナウンサーもいる。

6.スポーツ記者

一般紙・スポーツ紙・放送局のスポーツ部門やスポーツ雑誌の編集部に所属し、試合の結果や選手の声を読者に伝える記者。

競技に関する幅広い知識や、選手の本音を巧みに引き出すインタビュー技術が求められる。

フリーのスポーツジャーナリストとして活躍する道も。

7.スポーツカメラマン

スポーツの試合や練習の様子を写真や映像でとらえるカメラマン。

一般紙・スポーツ紙・放送局のスポーツ部門やスポーツ雑誌の編集部に所属している社員カメラマンもいれば、依頼を受けて撮影するフリーカメラマンもいる。

いかに決定的瞬間を押さえるかがカギになる仕事。
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※臨場感のあるシーンを切り取るためには、一瞬のチャンスを確実にものにする撮影技術が必要となる

8.スポーツ施設運営・管理

野球場・サッカー場・陸上競技場・総合スポーツセンターなどの利用スケジュール管理やコンディション整備などを行う。

民間施設は自治体職員などがその役割を担う。

ドーム球場などの大規模施設はコンサートなどスポーツ以外の利用も多く、運営・管理の多くは民間企業が行っている。

9.スポーツプロモーター

スポーツの大会や試合を企画し、運営する仕事。

スポンサー探し、出場する選手やチームとの交渉、会場の確保や当日の会場設営、テレビの放映権交渉、イベントの宣伝など手掛ける仕事は幅広い。

スポーツイベント会社や広告代理店の社員がその役割を担う。

スポーツに関わる仕事<選手の育成やサポ-トをする仕事>

スポーツに関わる仕事。選手、インストラクター、アナリストetc.人気の職種を徹底解説!
インストラクター・トレーナー・体育教師など、選手の育成やサポート&ケアにあたるスタッフもスポーツ業界を支える重要な仕事。

また近年では、スポーツへの最新テクノロジーの導入が急速に進行し、選手のパフォーマンス向上に必要なトレーニングや食事を研究するスポーツ科学研究者や、AIを活用した戦略立案や分析に従事するスポーツアナリストの需要も高まっている。

インストラクターやトレーナー

10.スポーツインストラクター

フィットネスクラブ・スポーツジム・スイミングスクール・ダンススクール・体操教室などで、一般客を対象に、水泳・エアロビクス・ヨガ・ダンス・体操などの指導を行う。

ジムやスクールに所属するほか、フリーのインストラクターとして活動することも可能だ。

11.パーソナルトレーナー

スポーツクラブやフィットネスクラブで、顧客の目的に合わせて筋トレやエクササイズの指導をマンツーマンで行う。

指導する対象はプロスポーツ選手からダイエットや健康維持を目的とする一般客まで幅広い。

必須ではないが、関連する資格があると就職に有利。


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※健康意識の高まりとともに、若年層から高齢者までトレーナーから指導を受けたい人は増えている

12.体育教師

中学・高校で体育を指導する教師。

体育教師になるには教育学部の体育系コースか体育大学を卒業し、中学・高校の体育科の教員免許を取得することが必須。

授業では陸上競技・球技・水泳・武道など幅広い種目を扱う。

体育教師がスポーツ系の部活動の顧問を務めることも多い。

研究者

13.スポーツ科学研究者

大学や研究機関でスポーツに関連するテーマを研究する仕事。

スポーツ科学が扱う領域は非常に幅広く、下に挙げたのはその代表例。

選手のトレーニングやコンディションの維持・向上、シューズなどスポーツ用品の進化にその研究成果が大きく貢献している。
スポーツ科学の主な研究分野
──────────────


1.スポーツ医学
人間の体や競技の特性に応じた効果的なトレーニング方法やコンディショニング、ケガの予防・治療などを総合的に扱う研究分野。

2.運動生理学
運動によって人の体の神経系、呼吸器系、循環器系などにどのような反応や変化が起こるかを科学的に研究する分野。

3.スポーツ栄養学
選手それぞれの目的や状態に合わせて、コンディションやパフォーマンスの向上につながる栄養素の組み合わせなどを研究する分野。

4.スポーツ心理学
選手の心理状態がパフォーマンスにどのように影響するかを分析し、効果的なメンタルトレーニングの方法などを研究する分野。

14.スポーツアナリスト

試合中の選手の動きや局面ごとの成績などの情報を集め、データサイエンスやAIなどのテクノロジーを駆使して解析することで、チームの戦略立案や相手チームの分析などを行う。

その競技に関する専門知識と同時に、ITや統計学に関する高度な専門能力も求められる。

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※スポーツに科学的な知識を取り入れることで、選手のケガや故障リスクを抑えられるメリットもある

スポーツに関わる仕事の最新の業界事情

スポーツ競技化する「eスポーツ」

「eスポーツ」とはエレクトロニック・スポーツの略で、格闘・戦闘・球技・パズルなどネット上で行う対戦ゲームを「スポーツ競技」と捉えたもの。

eスポーツ選手はゲームの世界で活躍するアスリート的な存在で、プロチームに所属し、日々トレーニングを積み、国内外で開かれる各種大会での勝利を目指して活動している。

2018年が「eスポーツ元年」と呼ばれる日本は、eスポーツ分野では世界に出遅れており、海外の大会と比べて賞金額が低いことなどから普及・認知がなかなか進まないと言われてきた。

しかしながら、2023年開催予定の『アジア競技大会』でeスポーツが正式種目となり、2026年大会は愛知・名古屋が開催地に決定したことでeスポーツの活性化を目指した国や地域の取り組みがスタート。

大手通信企業など周辺企業の参入も相次ぎ、eスポーツの市場規模は年々拡大しつつある。

また、「eスポーツは単なる遊びのゲームではなく、プロのスポーツ競技である」という認知が世界中で広まり、オリンピック種目への採用も期待されるなか、eスポーツ選手を目指す専門学校やeスポーツを部活や授業で取り入れる学校も増加傾向に。

2021年『第4回 全国高校生eスポーツ選手権』には全国368校772チームが参加し、中高生のなりたい職業ランキングでもeスポーツ選手が上位にランクインするなど、あこがれの職業としての注目度も高まっているようだ。


取材・文/伊藤敬太郎(原文)、ミューズ・コミュニティー(2022年11月、一部更新) イラスト/桔川 伸

コンテンツ提供/ リクルート進学総研『キャリアガイダンス』
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参考文献/日経BP総合研究所 業界動向サーチ



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